■ランクルはどう値落ちするのか
これを踏まえて、まずは200系ランドクルーザーから見てみよう。
200系のランドクルーザーは2007年に登場し、まず2009年4月の一部改良で、搭載する4.7L V8エンジンが従来の2UZ-FE型から4.6L V8の1UR-FR型へと変更された。同時にトランスミッションも5速から6速ATへと多段化されている。
2011年12月に1度目のマイナーチェンジを行い、内外装の変更やオフロードの走破性を向上させるマルチテレインセレクトなどを採用。
そして2015年8月に2度目のマイナーチェンジを行い、内外装のデザインを大幅に変更したのに加え、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた運転支援システムを全車に標準装備し安全性を向上させている。
5年落ちの2016年式ランドクルーザーの査定価格と残価率を見てみると、ベーシックグレードの「AX」では約388万円で残価率は75.4%。そして「AX Gセレクション」は約411万円で、残価率70.1%。最上級グレードの「ZX」の査定価格は約547万円で、残価率は驚異の約80%となっている。
残価率約80%というと一般的には2年落ちくらいで記録する数字で、これを5年落ちの査定価格で提示できる200系ランドクルーザーの人気は計り知れない。
続いては7年落ちの2014年式の査定価格と残価率を見てみる。
まずベーシックな「AX」は約251万円で、残価率は約50.1%、「AX Gセレクション」は約273万円で、残価率は約47.8%。そして最上級グレードの「ZX」は約321万円で、残価率は49.1%となり、5年落ちとは逆転現象が起き、ベーシックグレードの「AX」が最も高い残価率となっている。とはいえ、差は僅差なので「AX」と「ZX」の人気の高さがよくわかる。
■実は残価率の高い「プラド」
続いては、ランドクルーザープラド。150系と呼ばれる現行モデルは2009年に登場。当初はガソリンエンジンのみだったが、2015年6月の一部改良で、約8年振りにディーゼルターボエンジンを搭載した。
まず5年落ちの2016年式の査定価格と残価率を見てみると、ガソリン車の「TX Lパッケージ7人乗り」は約258万円で残価率は65.2%。ディーゼル車の「TX Lパッケージ7人乗り」が約278万円で残価率59.1%。そして最上級グレードのディーゼル車の「TZ-G」の査定価格は約297万円で残価率57.8%となり、パジェロ同様にディーゼル車よりガソリン車の残価率が高くなっている。
さらにガソリン車のみだった2014年式の7年落ちの「TX Lパッケージ」の査定価格は約231万円で、残価率はなんと200系ランドクルーザーを超える約61.3%を記録しているのだ。
これまでは200系のランドクルーザーの残価率が高かったのだが、新型の発表により年式の進んだモデルの査定価格が渋くなりはじめたのかもしれない。
■残価率含めてお買い得なのは?
同じSUVのパジェロとランドクルーザーシリーズでリセールバリューを比較してみると、5年落ちまではパジェロもかなり高い残価率をキープしている。
しかし7年落ちの残価率ではランドクルーザーシリーズとでは圧倒的な差がついてしまっている。7年落ちとなっても高い残価率をランドクルーザーシリーズはキープしていることは確認できた。
しかし、今回の検証でこれまでの都市伝説が崩れたことがある。
ランドクルーザーシリーズ全体のリセールバリューは今も高い。
しかし、シリーズのなかでトップモデルのランドクルーザー200系のリセールバリューが最も高いと思われていたが、それは5年落ちまでは正しいのだが、7年落ちとなるとランドクルーザープラドのほうが高くなっているのだった。
そして、ランドクルーザープラドでは、ディーゼル車よりガソリン車のほうが残価率は高くなっているということも調べてみてわかった。
ディーゼル車の新車時価格はガソリン車よりも高いが、さまざまな免税措置があり、しかも燃料代が安い。しかし、その新車時価格差を燃料代で埋めるのは相当走らないと無理ということもあるので、グレード選びは悩ましいところだ。
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