天才ゴードン・マーレイの作った3億5000万円の市販モデル T.50の全魅力【レースカーデザイナーが手掛けたスーパーカー】

マニュアルシフトこそスポーツカーの王道

 強大なパワーをドライブシャフトに伝えるギヤボックスは、レーシングカー用ギヤボックスの製造でも高い実績を持つイギリス・Xトラック製。変速数は6で、シフトはHパターンのマニュアルとなる。現代はスポーツカーでもセミオートマチックのパドルシフトを採用するクルマが多いが、T.50ではドライブする喜びをより味わえるマニュアル方式にしたのはマーレイのこだわりだ。シフトストロークが短く、さらに正確なチェンジが行えるという、F1クオリティのギヤボッスがもたらすシフトチェンジフィールは、どれほどのものなのか興味は尽きない。

名車の意匠を引き継ぐ究極のアナログスーパーカー『T.50』―著名レーシングカーデザイナーが手がけたロードモデル―
Hパターン式の変速システムを採用。1~5速のレシオが近く、小気味良いシフトアップ&ダウンが行える。6速はロングレシオで高速クルージングに対応する

 ボディフォルムはマクラーレンF1をイメージさせるラインでまとめられる。マーレイは、近年のスーパーカーがウイングやスポイラー、ダクトなどで過度に装飾されているのをよしとせず、できるかぎりシンプルかつ優雅なボディを完成させた。マーレイ自身「T.50は30年を経てもなおフレッシュな印象を与えてくれる」とコメントしている。

名車の意匠を引き継ぐ究極のアナログスーパーカー『T.50』―著名レーシングカーデザイナーが手がけたロードモデル―
先に紹介したマクラーレンF1とこのT.50が共通のフォルムを持っているのがわかる。空力性能を考慮し、なおかつエレガントなラインを表現するのがマーレイ流

発売開始は2022年。日本でもその姿は見られるか?

 2022年からデリバリーが開始されるT.50。限定100台の製造が予定され、販売価格は税抜きで236万ポンド(約3億6600万円)とのこと。マーレイ曰く「究極のアナログスーパーカー」T.50は、驚くべきパフォーマンスを持った公道を走れるレーシングカーそのものだが、日常使用にも配慮されるなど、高い完成度を誇っている。このマシンのユーザーになるのはかなりハードルが高いが、夢の存在としてのスーパーカーとは、まさにこのようなマシンのことをいうのだろう。

名車の意匠を引き継ぐ究極のアナログスーパーカー『T.50』―著名レーシングカーデザイナーが手がけたロードモデル―
マシン開発者のゴードン・マーレイ。長身でダンディな出で立ちは、’70年代のF1界でも異端の存在だった。2021年に75歳を迎えたが、その創造力に衰えはない

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