ホンダ N-BOXスラッシュ
2014年に登場したN-BOXスラッシュは、先代N-BOXの全高を100mm下げ、ボディ後半はクーペルックとした、スペシャリティ+高級という要素も盛り込んだ軽ハイトワゴンである。
エクステリア以外のスペシャリティな要素としては、アメリカのカジュアルレストランをイメージしたダイナーや落ち着いた雰囲気のセッションといったインテリアカラーなどが挙げられる。
高級の要素としては、電動パーキングブレーキの採用、オプションのサウンドマッピングシステム(サブウーファー付のオーディオ)を装着すると、静粛性向上のため遮音材が追加されるといった具合だった。
初代N-BOXからそれほど変わっていないようにも見えるが、乗ってみると全体的な質感の高さに加え、サウンドマッピングシステムも絶品と、「高級軽自動車」という言葉が相応しく、筆者は真剣に欲しくなった記憶がある。
N-BOXスラッシュも期待ほどは売れず、絶版となるのだが、その理由としてはコンセプトが理解されなかったことと、同じような価格で買える初代N-BOXを選ぶユーザーが圧倒的に多かったというのが大きかったのではないだろうか。
それでもN-BOXスラッシュのコンセプトは、多少なりとも現行型2代目N-ONEに受け継がれているところがあるように感じるのは救いかもしれない。
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今のところ日本車の「小さな高級車」に大きな成功を収めたモデルがないのは、ここまで書いてきたようにコンセプトに対する理解など、クルマ自体よりも巡り合わせのようなものがうまくいかなかったことの方が大きいように思う。
その意味ではノートオーラは、約300万円と絶対的にちょっと高い印象は否めないが、ノート同士で見れば価格差以上の内容の充実が感じられるだけに、日本車の小さな高級車としては初の成功例となる可能性は充分あるのではないだろうか。
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