開発中止が報道され、これに対して日産が否定するといった騒動になった日産スカイライン。大きな話題になるのはスカイラインが日本車のなかでも特別な存在である証だ。そして、その開発中止の新聞報道では「日産の象徴」と表現された。
スカイラインが日産を代表するクルマとなり、そして日本のクルマファンの心を捉えてきた理由はどこにあったのだろうか?
文/片岡英明 写真/NISSAN、ベストカー編集部
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■スカイラインは憶測でさえ大きなニュースになる
6月12日、日産ファンだけでなく自動車ファンの間にも衝撃が走った。日本経済新聞が日産を代表するスポーツセダン、スカイラインの次期モデルが開発中止になったと報じたからである。
また、上級クラスのフーガとシーマも販売が低迷しているから次期モデルはないと続け、セダン市場からの全面撤退もありうるとした。これは大ごとだ。
スカイラインといえば、長い間、日産を支えている屋台骨である。これまで何度もブランド消滅の危機にあったが、首脳陣は日産には必要と判断したから60年以上も生き延びてきた。
それから3日後の15日、日産はノートの上級に位置するノートオーラを発表している。その席上、星野朝子執行役副社長は「これから先も日産はスカイラインをあきらめない」と、新聞報道を一部否定したのだ。
このコメントは、さらに多くの憶測を生み出したのである。スカイラインの次期モデルの開発中止騒動は、今もスカイラインが日産を代表するスターであることの証と言えるだろう。憶測でさえ大きなニュースになる。
確かに日本ではセダン離れが進み、この10年ほどで多くのセダンが消えていった。スカイラインの最大のライバルであり、伝説のハイオーナーカーだったマークIIはマークXにバトンを託した後、消滅している。今はチェイサーもクレスタもない。
また、コロナとカリーナはプレミオとアリオンになった後も親しまれていたが、さびしく消えていった。レジェンドも間もなく日本では販売を打ち切る。本家筋では、長く親しまれたブルーバードとサニーも静かに消え去っていった。
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