自動化レベル4は大型トラックから? 乗用車と歩みが異なる自動運転【自律自動運転の未来 第18回】

■実装はまだレベル2だが「小さく生んで大きく育てる」

 2019年秋、三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」が日本初のレベル2技術を搭載、運転支援車として販売をスタートさせています。

 ダイムラートラックAGグループである三菱ふそうのレベル2技術は、同時期に同じく傘下の北米/フレートライナーの大型トラック「カスケディア」、本家のメルセデス・ベンツの大型トラック「アクトロス」にも搭載されました。

「アクティブ・ドライブ・アシスト(ADA)」と命名された運転支援技術は、ACC機能と車線中央維持機能の組み合わせにより、車両の前後/左右方向がシステムによりサポートされます。

 筆者はテストコースでこのADAを装着したダイムラートラックAGの3車に、そしてスーパーグレートでは東北自動車道でも試乗しました。

三菱ふそうスーパーグレート「レベル2」技術テスト中
三菱ふそうスーパーグレート「レベル2」技術テスト中

 車線逸脱抑制と車線中央維持を行うため、ステアリング操舵用としてボール&ナット式油圧ステアリングの頭上に電動モーターを装着していますが、これにより、路面の凹凸によるステアリングのブレ(キックバック現象)が大きく減少しています。

 これは、電動モーターが路面からの入力に対する反力を生み出し、打ち消そうとしているためです。また、直進安定性を高めるためステアリングに介入するアシスト力が強めである点もADAの特徴です。

 2021年7月1日、UDトラックスは大型トラック「クオン」に「UDアクティブステアリング」を装着、同日より販売を開始しています。

 三菱ふそうのシステム同様、油圧式ステアリングギアの上部に搭載した電気モーターのアシストにより、低速走行時のステアリング操作が軽くなり駐車時の負担が軽減され、車速が上がると今度は重く安定させて直進安定性を高めます。

 さらに、路面の凹凸や積荷の重さにも影響される大型トラック特有のステアリング特性が大幅に改善されることから、ドライバーの疲労軽減効果が望めます。

 また、UDアクティブステアリングには車線逸脱防止支援システムも織り込まれており、安全性能も向上させます。

 2021年6月8日、トヨタの子会社である「ウーブン・プラネット」のグループ会社「ウーブン・アルファ」と、商用車メーカーである、いすゞ、日野は、自動地図生成プラットフォーム(AMP/Automated Mapping Platform)の活用に向けた検討を開始しました。

 これにより、小型トラックにおける高精度な地図(HDマップ)を使った自動運転や先進運転支援技術による、より安全な物流の実現が期待できます。

 さらに同年6月23日には、三菱ふそうとウーブン・アルファが先進運転支援技術へのAMP活用を目指した大型トラックでの共同研究をスタートしています。

 全10項目の実証項目で構成される共同研究の第1弾として、AMPの高精度地図を三菱ふそうが開発する「カーブ進入時速度超過警報装置(ECSW/Entering Curve Speed Warning)に組み合わせました。

 そして、AMPが組み合わされたECSWを「スーパーグレート」に実装し、走行させる実証実験を行います。

一部改良を実施したUDトラックスの「Quon」
一部改良を実施したUDトラックスの「Quon」

 このように、レベル4技術は目的がはっきりしていて、すでに市場からの高い要望がある大型トラックから実装がスタートします。

 今回紹介した三菱ふそうとUDトラックスの大型トラックが搭載する技術は、いずれも運転支援車レベル、すなわちレベル2の段階です。

 しかし、それらは2025年度前後に実用化を目指すトラックの隊列走行(1ページ目中段の(3)第二段階)を支える技術でもあります。

「小さく産んで、大きく育てる」。自動運転技術はこうして社会的受容性を高め、徐々に市場へと安心安全な形で導入されていくのです。

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