水素を燃焼するタイプのエンジンは、燃料電池と並ぶ水素エネルギーの活用法のひとつだ。すでにマツダがロータリーをベースとした水素エンジンを使用した車両で実証実験やリース販売を行っているが、限定的な使用にとどまっている。
2021年のスーパー耐久レースに水素エンジン搭載のカローラスポーツが参戦し、また水素エンジンに注目が集まっている。しかし実用化にはまだ多くの課題がある。
そこで、国沢光宏氏に水素燃焼型エンジンの可能性を聞いた。
文/国沢光宏、写真/ベストカー編集部、イワタニ
【画像ギャラリー】実用化への高いハードル……しかし全ての課題には答えがある!! 水素エンジンが持つ可能性を探る
■にわかに注目を浴びる水素エンジン
モリゾウさんがレース車を作ったため、突如次世代パワーユニットの有力候補として注目を浴びている水素エンジンながら、やはり普及させようとすれば航続距離の短さが大きな課題になってくる。
同じ水素を使う燃料電池より20~30%くらい熱効率悪いと言う。ある程度の航続距離を必要とする乗用車用としては厳しい。
しかし用途を変えたらどうか? 例えばタクシーなどいかがだろう。
現在JPNタクシーに使っているパワーユニットは1500ccのハイブリッドだ。エンジンパワーだけで見ると74馬力と低い。水素エンジンはガソリンよりパワーを出しにくいと言われるものの、1500ccで74馬力だったら問題無い思う。熱効率だって追求出来そう。
水素エンジン、レース用だとパワーを追求するためたくさんの水素を燃焼室に送り込まなければならないが、熱効率重視であれば違う燃焼方法だってあるかもしれない。
さらにハイブリッドを上手に組み合わせることで燃費だって追求出来る。新型MIRAI、普通に走ったら満充填で500kmくらい。けれど乗り方次第で1000km走る。
同じパワーユニットながら乗り方次第で燃費は伸ばせるということ。ハイブリッドを上手に制御し、誰が乗っても燃費スペシャリストのようなアクセルワークや回生を行えるようになると、水素エンジンの効率をワンランク向上させられる可能性出てくる。
パワーユニットとして燃料電池より20~30%の効率悪くても、制御でカバー出来るかもしれない。
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