■水素エンジンにはタクシーが有利!?
こう書くと「新型MIRAIだって制御で燃費良くなるのでは?」と思うかもしれない。
その通りです。ただJPNタクシーベースだったら新型MIRAIより車重軽く回生制動の効率が良いし、しかもエンジンで熱を出すため燃料電池だと大幅に燃費悪くなるヒーターを使った時の燃費ダウンを抑えられる。暖房、タクシーだと重要になってきます。
こういった対策により燃料電池車と同等の燃費性能を実現出来たらどうか? 新型MIRAIの水素タンク容量は141L。JPNタクシーベースだと、そんなに大きいタンクを積めない。
何とか工夫して100Lを確保出来たたとしよう。新型MIRAIの満充填走行距離は850km。100L分だと600km。実用後続距離で400kmを確保出来る?
100歩譲り、燃費をそこまで追求出来なかったり、水素タンク容量が100Lに届かなかったとして実用航続距離300kmと考えてみよう。
これだけ走ってくれたら電気自動車より有利。電気自動車でタクシー作って300km走れるだけの電池を積んだら、充電に凄く時間掛かります。しかも暖房使って燃費落ちないという決定的な優位点がある。
水素エンジンであれば充填に掛かる時間は3分! 電気自動車だとチャデモで最新/最高性能の90kWhタイプを使ったって30分で40kWhくらいしか入らない。航続距離にして200km。当然ながらお客さんを乗せている時の充填など無理だ。
水素エンジンだと3分で300~400km走れてしまう。事情を説明したらお客さんだって納得する。
■コストや燃料補給にも解決策アリ!!
肝心の燃料コストはどうか。
100Lタンクだと水素4kg積める。これで400km走ったら1kgあたり100km。1kgあたり1210円という現在の水素価格だとLPガスや電気より割高になってしまうが、水素価格の目標値は1kgあたり500円程度(アメリカじゃ1ドル=110円を考えているらしい)。500円になったらLPガスと同等になってくる。
さらに車両コストも現在の価格から上乗せになるのは水素タンク分くらい。現在、水素タンクは高額ながら、これまた量産や技術革新でコストダウン出来る余地は大きい。実際、新型MIRAIもコストダウンしたそうな。
違うアプローチもある。タクシーなら毎日一定の水素を消費し、加えて毎日使う。こういう用途だと液体水素だって使えると思う。
液体水素は少しずつ蒸散するため長い時間貯められないが、毎日補充出来るなら問題無し! この場合、円筒形にしなければならない高圧タンクと違い液体用のタンクでいいし、価格だって安く出来る。
といった具合で水素エンジンは用途を限ったら実用性出てきます。唯一の課題は水素スタンドの数ながら、これも増えて行くだろう。
コメント
コメントの使い方