■安全装備とお薦めグレード
トヨタ・セーフティセンスの内容はグレードによって少し異なりますが、もっとも重要なプリクラッシュセーフティは、昼夜歩行者、昼間自転車運転者の検知機能付きの衝突回避支援タイプで、前述のように1.0B・Xパッケージ以外に標準で装備されます。
長距離走行や渋滞時に頼りになる全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールはハイブリッドと1.5リットルのCVT車に標準装備となります。車両本体価格ベースでレーダークルーズコントロール付きがもっともリーズナブルなのは1.5Xの159万8000円です。6MT車のレーダークルーズコントロールは全車速追従タイプではなく、30km/h以上で作動するタイプとなります。1.0Gと1.0Xは未装備です。
車線を維持してくれるレーントレーシングアシストはハイブリッド車と1.5リットル車に標準装備。1リットル車は車線逸脱時に警告を発するタイプでアシストはされません。
グレード間の主要装備差を列記しておきます。
●前後LEDランプ
Z系:標準装備
G系:オプション(8万2500円)
X系:装着不可
●シート表皮
Z系:上級ファブリック
G系:ファブリック(マルチカラーファブリックをコンフォートシートセットとしてオプション、6万2700円)
X系:ファブリック
●ディスプレイオーディオ
Z系:8インチ標準装備
G系:8インチ標準装備
X系:7インチ標準装備
●スマートエントリー
Z系:標準装備
G系:標準装備
X系:4WDは標準装備、FFはオプション(3万5200円)
●ステアリング
Z系:革巻き
G系:ウレタン
X系:ウレタン
●タイヤサイズ(標準装着のホイールは樹脂フルキャップ付きスチールホイール)
Z系:185/60R15(185/55R15+アルミホイールがオプション、8万2500円)
G系:175/70R14(185/60R15+アルミホイールがオプション、2WDは5万9400円、4WDは4万9500円)
X系:175/70R14
装備のなかでじつは一番気になったのがZ系以外はステアリングがウレタンとなるところ。トヨタのウレタンステアリングにはあまりいい印象がありません。そしてステアリングは運転するときはつねに触れている部分なので、感触が悪いとクルマに対する印象まで悪くなってしまいます。
しかしZとGの価格差はハイブリッドでも1.5ガソリンでも20万円近くもあるのです。ステアリングにこだわっての20万円は辛い……と悩んでいたところ、1万7000円程度で革巻きのステアリングホイール部分が部品として入手可能でした。
つまりスイッチやセンター部分は標準装着のウレタンステアリングのものを活かし、ステアリングホイール部分を革巻きに変更できるわけです。工賃込みでも3万円は掛からずに革巻きステアリングにチェンジできるはずです。
■ヤリスのお薦めグレードと長所&短所は
走りのパフォーマンスについては当然のことながらハイブリッドが最上で、1.5ガソリン、1.0という順序になります。しかしフィーリング上は1.5ガソリンが一番、そしてとくにパワーを欲しないなら1.0ガソリンというのが私の評価です。
ハイブリッドはちょっと燃費向上に無理しすぎかな? という印象です。今後はいやでもモーター付きのクルマに乗ることになるのでしょうから、今のタイミングではピュアエンジンに乗っておくのは思い出作りとしても意味があるかも知れません。
それぞれに特徴的なパワーフィールがあるので、ぜひ比較試乗して決めていただきたいです。その際、ハイブリッドは発進の力強さとアイドリングストップからのエンジン再始動の際の振動とノイズ、1.5リットルは40km/hからの加速感、1.0リットルはエンジン回転の伸びといった部分に注目してもらうといいでしょう。
ハイブリッドと1.5リットルガソリンは35万~40万円程度の価格差があるので、ハイブリッドにその価格差分の魅力を感じられるか? も大切な部分。ハイブリッドと1.5ガソリンでWLTCモード燃費の差は14km/L程度もあります。そこの部分もお忘れなく考慮して下さい。
私のおすすめグレードは1.5Xで、革巻きステアリングのみパーツで取り寄せて装着します。1.5Zと1.5Xの価格差は32万6000円です。ただし、3~5年で乗り換えを考えているのであれば、最上級のZを選んでおいたほうが下取りに期待ができます。値引きについてはハイブリッドZで15~20万円程度といったところのようです。
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