“直線番長”の代名詞的存在だった『GTO』
数ある国産ハイパワーモデルのなかでも、直線番長の象徴として異彩を放ったのが4度にわたるマイナーチェンジこそ行われたものの、一代限りで姿を消した悲運の直線番長=三菱のフラッグシップクーペ『GTO』ではないだろうか?
他の280馬力モデルに比べて全長4555×全幅1840×全高1285mmで車重1700kgという大柄&重量級のボディが目を惹いたGTOは1990年に登場。ドイツ・ゲトラーグ社製の5速MTをはじめ、ショックアブソーバーの減衰力を電子制御するECS、中・高速時に後輪を前輪と同方向に操舵する4WS、マフラーへの排気ガス流入経路を切り替えることでスポーティな音質が楽しめるアクティブエキゾーストシステム、高速走行時にフロントベンチュリーカバーとリアスポイラーが自動的に可動するアクティブエアロシステムなどの最新ハイテク装備の満載も大きな話題を呼んだ。
しかし、2001年に販売の低迷と側面衝突規制に適合できないという理由などから販売が終了。その際、三菱から今後はRVや小型車の生産・販売に注力するという発表もあり、二代目GTOが登場することはなかった。
いまだ色褪せない直線番長の魅力
悲運の直線番長が姿を消してから2021年で20年が経過した。1990年代の直線番長創成期から第一線級のパフォーマンスでクルマ好きを魅了してきたGT-RやNSXは今も健在で、0-100km加速や最高速も含めた走行性能は飛躍的に進化している。
が、しかし……。『ノスタルジックに浸ること』や『激化するパワーウォーズ』の良し悪しは別として、多様な個性をぶつけ合ってしのぎを削るバトルを展開した、クルマ好きがワクワク・ドキドキした直線番長百花繚乱時代は20年以上が経った今も色褪せない魅力を放っている。
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