安物買いが得しちゃう?? 輸入車はベースグレードが正義って本当なのか

■理由その2:ベースグレードは「軽いパワートレインに、強い車体」

クラス最高水準のねじれ剛性を達成したメルセデスSクラスのボディ構造。張力&超高張力鋼板やアルミニウム比率を約60%まで高めたアルミニウムハイブリッドボディシェルを採用している
クラス最高水準のねじれ剛性を達成したメルセデスSクラスのボディ構造。張力&超高張力鋼板やアルミニウム比率を約60%まで高めたアルミニウムハイブリッドボディシェルを採用している

 ふたつめの理由は、ベースグレードのほうが「動性能に有利な条件で設計される」ということだ。同一車種の場合、全グレード(メルセデスだとC180からC350といったラインアップのこと。拡幅されているAMGは除く)で、車体は同一構造のものを採用するのが一般的だ。

 その際、最も重たいグレード(≒上級グレード)を基準にして、衝突性能、耐久性能などが設計される。

 例えば、欧州車メーカーが得意とするディーゼルターボや、いま力を入れているプラグインハイブリッドの場合、ベースグレードとの車重差は、前者が約80kg、後者が約290kgにもなる(※E200とE220d、E350eを比較した数字)。

 この場合、最も不利な条件になるプラグインハイブリッド車の重量を元に、車体を作り込む場合が多い。

 つまり、比較的パワートレインが軽いベースグレードであるほど、車体剛性は良い意味でオーバースペックとなる。軽いパワートレインに、強い車体が組み合わされることで、ベースグレードは非常に優れた動性能となっているのだ。

 上記の、「タイヤ入力の小ささ」、「軽いパワートレインに強靭な車体」、このふたつが揃っているのがベースグレードなのだ。多くの自動車ジャーナリストが、「ベースグレードが良い」という理由は、そのクルマの「素」を味わえることが、最大の理由だと考えられる。

■先進運転支援搭載のベースグレードがベストチョイス!!

アウディA4のドイツ仕様には16インチタイヤ装着車がある(サイズは205/60R16)。日本で売られているA4は17インチタイヤ以上となるため、手に入らない仕様となる
アウディA4のドイツ仕様には16インチタイヤ装着車がある(サイズは205/60R16)。日本で売られているA4は17インチタイヤ以上となるため、手に入らない仕様となる

 パワーの大きなエンジンや、最先端のプラグインハイブリッドシステムを積み、太めのタイヤを履いて派手なエアロパーツを付けたAMGラインやMスポーツといった上級グレードが魅力的に映るのは、ある意味当然だ。(筆者もむしろ好き)。

 欧州では、日本では販売されていない廉価なモデルが用意されている。例えば、16インチタイヤを装着したアウディA4のベースグレードが販売されていたりもする(日本仕様は最小でも17インチタイヤとなる)。

 エクステリアデザインにはひと際こだわるアウディに、タイヤのゴム厚が目立つ16インチタイヤは、日本人の目で見ると「野暮ったくてカッコ悪い」と映るかもしれない。だが、無駄な装備を嫌う人が多いドイツでは、「快適に移動する」ために、こうした16インチを履いたベースグレードを選択する方も多い。

 ただし、アダプティブクルーズコントロールやステアリングアシストなどの先進運転支援技術については、ベースグレードだとオプション装備になる場合もあり、これらが標準装備されている上位グレードの方が有利になることがある。

 そう考えると、ベースグレードに先進運転支援技術を搭載したC200アバンギャルド(先代だとC180アバンギャルド)や、BMW 318iスタンダードなどが、「ベストチョイス」だと、筆者は考える。

【画像ギャラリー】こんな意外なメリットが!? ベースグレードを見ずして輸入車を語ることなかれ!!

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