■重い車体で強い加速を感じるにはパワーが不可欠
近年のエンジンは他社も含め、ノーマルの1.5倍の出力までは受け止められる場合が多い。そうなると次期Zも600psまではノーマルで耐えられると予想する。問題はそこまでパワーが高められるかなのだ。
燃料が足りなくなるのはスカイライン400Rのインジェクターの場合なので、もしやZではベースが大容量インジェクターになっている可能性もなくはない。普通は同じインジェクターが付いていると思うが……。
また、あまり期待できないが86/BRZのようにポート噴射と併用してくれれば、そちらから増量すればいいので、拡張性は大幅に増えるのだが……。
どうにかしてパワーを出すなら、別途燃料を引いてきて、インマニに別のインジェクターでガソリンを噴射すれば可能ではある。昔懐かしい表現をすれば追加インジェクターのレヴィック的なことである。
ただ、別でコンピュータユニットを付けて、ノーマル含めて統合して制御しないといけないことを考えると、サーキット専用車やショップデモカーではアリでも、ユーザーカーではまず間違いなくナシである。
そもそもそんなにパワーがいらないのではないか、という話ももちろんある。400psでも十分だし、500psもあればひと昔前のフルチューン並みのパワーである。
しかし、近年は車体重量の増加が激しい。Z34で1500~1540kg。スカイライン400Rで1760kg。車体が重くなっているので、同じ馬力でも昔ほどのパンチ力を感じにくい。
実際欧州車の600ps級セダンでも、2t近い車重があると、もちろん速いがワープするほどではない。1200kgで600psとはちょっと違うのである。なので、Zも500psといえどもモノスゴイパワーで目が追いつかない!! というほどではないかもしれないのだ。
■ハイパワーをじゅうぶん受け止められるミッションまわり
パワーを受け止めるミッションも注目。6MTはZ34譲りのものというウワサ。たしかにZ34ミッションはかなり対応馬力も大きく、400~500psも問題なく対応できそう。そこに新設計のシンクロやギア比も見直されているようだ。
ATも先代から踏襲かと思われたが、ここは新開発の9ATになるという。ステアリングやVDCも含めて制御され、スタンダードモードとスポーツモードに切り替えが可能だという。
そして、AT全車とMTの一部には、最大限の加速性能を発揮できるローンチシステムも搭載される。レースのスタート以外には特に使い道はないはずだが、高級スポーツカーにはみんな付いているシステムだけに、ちょっと心躍る部分でもある。
日本でのデリバリーは2022年後半と言われ、まだ未知な部分が多いZだが、500psという途方も無いパワーを日常的に楽しめるクルマになりそうである。
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