コロナ禍、五輪、相次ぐ災害と、このところすったもんだが続く日本と日本経済。当然日本経済の屋台骨たるクルマ業界も影響を受けないわけがない。電動化の名の元に厳しくなる一方の規制も然り(テスラのモデル3値下げなど、海外勢の勢いにすこし怖くなったりもする)。
だがそんな中にあって、国内メーカーたちは次のステージへの準備を淡々と続けている。ターゲットは2022年。ベストカースクープ班が全力を挙げ掴んできた最新情報をご紹介!
※本稿は2021年7月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2021年8月26日号
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■着々と「次」への準備を進める国内メーカーたち
2050年のカーボンニュートラル実現のために、これまでは電動化がその最適解のように言われ、世界的にも各国自動車メーカーが電動化を推進している。
しかし、ここにきて必ずしも電動化=ピュアEV、ストロングハイブリッド「だけ」がカーボンニュートラルへの近道ではないことが指摘されている。
それは言うまでもなく大容量バッテリーの生産時に排出されるCO2の問題。
さらに、300~400kmを走行するために一般家庭での電力消費量数日分を必要とするEVに供給する電力の発電にかかるCO2排出量など、再生可能エネルギーで得られた電力以外では、本当の意味でのカーボンニュートラルにはならない、という考え方が一般化してきたためだ。
ストロングハイブリッドにしても、内燃機関とモーターの組み合わせでCO2排出量の低減を目指すわけだが、これには内燃機関そのものの熱効率の引き上げが必須だ。
トヨタのダイナミックフォースシリーズや、さらに40%を超える究極の熱効率を目指すマツダのSKYACTIV-XなどがLCA(ライフサイクルアセスメント=トータルでのカーボンニュートラルを目指す)を意識した、自動車メーカーとしての取り組みの現われと言えよう。
e-POWERとピュアEVの2本立てで電動化を主軸にパワートレーン戦略を推し進める日産も、e-POWERの発電用エンジンとして、熱効率50%を実現する可変圧縮比1.5Lターボエンジンを開発。
すでに実験室レベルでは稼働しており、数年後には実用化されることになる。
■プラド来夏デビュー アルファードも THSの強化と内燃機関の進化
前振りが長くなってしまったが、トヨタはTHSのエンジン側を高効率化するとともに、ドライブフィールをより自然にするため、徹底的にエンジンの細部を磨き上げている。
それと同時に、モーターアシストを使わない純エンジン車の開発にも積極的。
ランクル300に搭載されるガソリン3.5L、V6ツインターボ(415ps/66.3kgm)とディーゼルの3.3L、V6ツインターボ(309ps/71.4kgm)などはその代表的なエンジンだし、ヤリスなどに搭載される直3 1.5Lなどもその成果。
さらにトヨタは水素燃焼で内燃機関の可能性を広げようとしている。来年にもフルモデルチェンジが計画される新型プラドには、前述の3.3Lディーゼルターボが搭載される計画だ。

新型ランクルプラド、今は注目が異様に高まっているランクル300の影に隠れているが、ラダーフレーム構造の継続採用などで悪路走破性はかなり高い。
ボディサイズは現行同等と予想され、日本の道での使いやすさならランクル300を上回る。
今後、注目が高まっていくはずだ。