■タイヤ選びのコツは愛車とのマッチング。変えてみると走りの違いも明確に
話がちょっと逸れてしまいましたが、タイヤを選ぶ時に注意したいのは、クルマとのマッチングです。スポーティなクルマにソフトな乗り心地のタイヤを選ぶと、タイヤに弾むような動きが出て乗り心地が悪くなることがあります。極端な場合は、カーブで腰砕けのような剛性不足を感じることもあります。
ソフトな乗り心地のクルマにシャープな応答性のタイヤをつけた場合は、ハンドルを切った時、ボディを置いてきぼりにしてタイヤだけが曲がっていってしまうような動きが出ることがあります。また、むやみにロールが大きくなって気持ちよく曲がらないなんてことも起こることがあります。
ポイントはクルマやタイヤのキャラクターから大きく外れない範囲で、好みの方向性のタイヤを選ぶのがいいと思います。
具体例を挙げると、コンフォートタイヤとしてはプレミアムコンフォートタイヤとしてブリヂストンのレグノGR-XII、ヨコハマのアドバンdB(デシベル)、ダンロップのビューロVE304が挙げられます。このなかではレグノとdBがソフト系、ビューロが引き締まった足回り向きです。
コンフォートタイヤではヨコハマ・ブルーアースGT、ダンロップ・ルマンV、ミシュラン・プライマシー4、グッドイヤー・エフィシエントグリップ・コンフォートなどが挙げられます。このなかでスポーティ寄りなのがブルーアースGTとプライマシー4、コンフォート寄りなのがルマンVとエフィシエントグリップ・コンフォートになります。
このほか、最近ではミニバン専用とか、SUV用タイヤも増えてきました。ミニバン専用タイヤは重心の高さからくる不安定さを補強しながら乗り心地もいいタイヤが充実しています。
また、最近人気のSUV用タイヤは最近のオンロード指向を受けてオンロード用に割り切ったSUV用タイヤが出てきました。ミニバンやSUVはタイヤからのノイズを抑えることではっきりと静粛性が高くなったのが実感できます。
■エコタイヤも快適性UP! 変え時になったら積極的に選んでみよう!
履き替えるだけで燃費がよくなる省燃費タイヤも増えています。上に挙げたコンフォート系タイヤのなかでも、省燃費タイヤがたくさんあります。
レグノGR-XII、ビューロVE304、プライマシー4、ブルーアースGT、ルマンV、エフィシエントグリップ・コンフォートは省燃費タイヤです。
省燃費タイヤの見分け方は、タイヤに貼られているラベル(ラベリング)によって判別できます。国内では2010年1月から省燃費タイヤを表すラベリング制度が始まりました。
転がり抵抗を転がり抵抗の少なさによってAAA、AA、A、B、Cの5段階に分類され、同時にウエットグリップ性能もa、b、c、dの4段階に分類しています。このうち転がり抵抗がA以上で、なおかつウエットグリップがa~dに範囲にあるものを省燃費タイヤと定義づけています。
最近はクルマも燃費性能を重視しているので、転がり抵抗Aレベルだとあまり違いがわからないタイヤもあるかもしれませんが、それでもAAクラスになると、まず転がり抵抗の少なさが実感できると思います。
例えば、タイヤの寄与率(クルマにおけるタイヤの果たす役割)が高くなる高速道路だと、場面によっては1km/Lレベルで燃費の向上が認められることもあります。そのほか走り出しの軽さとか、スピード維持のしやすさ、微細な下りのわかりやすさ(転がり抵抗が少ないので減速しにくい)などでもわかると思います。
特にタイヤがある程度摩耗してからだと新しいタイヤのよさが際立つことになると思います。ぜひタイヤにちょっとだけ興味を持って次のタイヤを選んでみてください。
まだタイヤ交換にはちょっと早いかな、という人も空気圧の調整は乗り心地に有効なのでぜひ試してください。調整幅はプラスマイナス0.2kg/cm2(キロ/平方センチ)程度で効果が感じられるはずです。たぶん想像するよりずっと乗り心地や走りが変わったことに驚くと思います。
こんな具合にタイヤ回りのあれこれで、じつはクルマの乗り心地や、操縦性、燃費がはっきり実感できるレベルで変わるんです。ぜひタイヤに興味を思ってタイヤ選びをしてみてください。飽きてきたかな、と思えたクルマがぐっと楽しくなるかもしれません。
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