タイヤを替えるだけでクルマの乗り心地や燃費はよくなるのか?


 実は以前から愛車の乗り心地が硬いことが気になっていた……。そんなところに、タイヤ交換の時期近づいてきた。

 そんな場合、タイヤを違う銘柄のものに交換すると乗り心地や改善することはできるか? さらにタイヤを変更することで燃費も向上させることもできるのだろうか? 

 タイヤについての取材も豊富なモータージャーナリストの斎藤 聡氏が解説する。

文/斎藤 聡 
写真/AdobeStock、日本ミシュランタイヤ、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】走れ!タイヤくん。毎日クルマの走りを懸命に支えているからこそ、ベストなタイヤを選びたい!!


■純正タイヤに履き替えるのもひとつの選択だが……

 タイヤが摩耗したら交換します。では皆さんはどんな基準でタイヤを交換するのでしょうか? 中~上級車種であれば、純正装着のタイヤをディーラーで交換する、という方法があります。

 これは実は悪くない選択なんです。コスト重視のクルマの場合はタイヤもコストによって選ばれるので、飛びぬけた性能は期待できないのですが、操縦性や乗り心地を売りにしているクルマは、その性能を高めるためにタイヤにも専用のチューニングをしているからです。

 古い話になりますが、R33GT-R用タイヤの開発のために日産の名テストドライバーとして知られる加藤博義さんはニュルブルクリンク北コースでひたすらタイヤ開発に明け暮れていたそうです(直接お聞きしました)。

 そこまでではなくても、新型車は装着タイヤとのマッチングのテストが行われているんです。だから純正装着タイヤを履くというのはひとつの選択肢といえます。

純正タイヤは開発中のテストによりメーカーとして最適な選択がされている。しかしコストに制約があり、ユーザーにとって純正タイヤがベストではなく物足りなさを感じることもあるかもしれない

 そうはいっても、コスト度外視でベストバランスタイヤを作っているわけではありませんから、よほど特殊なクルマでない限りは、ある程度の妥協があります。だから、自分の乗っているクルマの乗り心地をもうちょっとよくしたいとか、スポーティにしたい、燃費をよくしたい、ということもできてしまうわけです。

■純正品のバランスも悪くないが、ご自身の好みに合わせたチョイスも楽しい

 ボクの乗っているマツダ3は、国産車では珍しくタイヤに「MZ」のマツダ認証マークが刻印されています。乗り心地をよくしながら操縦性の要になるタイヤの応答性を高めたタイヤに仕上がっていると思います。

Cセグメントともなると、クルマとのマッチングを考慮した純正タイヤが装着される。バランスを重視するならば純正だが、何か重視することがあればその用途に合わせ市販タイヤを選択するのも楽しい

 これを踏まえたうえでタイヤ選びをしてみたのですが、別のタイヤを履いてみて改めて純正タイヤのバランスのよさを感じました。その一方、個人的な好みとしてもう少しコーナーで踏ん張りがきくようにしたかったので、ダンピング(骨格の剛性)が高く応答のシャープなミシュラン・パイロット・スポーツ4に交換しました。

 乗り心地は、荒れた路面や継ぎ目でちょっとコツコツした硬さが感じられるようになりましたが、大き目のショックを拾った時のショックの収まりが素早く、乗り味としてはむしろスッキリしたものとなりました。

 もうちょっと乗り心地を重視して選ぶなら、ミシュラン・プライマシー4やヨコハマ・ブルーアースGTあたりとのマッチングがよさそうです。

 といった具合に、クルマのキャラクターをある程度把握したうえで、もう少しこうしたいという希望に近いタイヤを選んであげると、乗り心地や操縦性を1ランク上に持ち上げることができると思います。

 マツダ3つながりでもうひとつ。インチアップ&インチダウンもタイヤの選択肢として興味深いのではないかと思います。

 タイヤを交換するとしたらインチアップをまず思い浮かべると思います。インチアップするとタイヤは全体にシャープな傾向になります。マツダ3にレグノGR-XIIの225/40R19を組み合わせてみたことがあるのですが、レグノのソフトさがきゅっと引き締まった感じになって、思いのほかマッチングがよかったのに驚きました。

 インチダウンはまずやらないと思いますが、ひとつ考えられるのがスタッドレスタイヤのインチダウンです。マツダ3には205/60R16というサイズも用意されています。

スタッドレスタイヤへの交換の場合、インチダウンすることにより乗り心地に好影響を与える場合もある。また価格がリーズナブルになるのもメリットだ

 インチダウンすると乗り心地がぐっとマイルドになります。スタッドレスタイヤの場合、トラクションのかかりがよく、グリップに粘り感が出て、滑り出しの様子もわかりやすくなります。価格も安いので、スタッドレスタイヤの16インチへのインチダウンはお薦めのチューンのひとつです。

次ページは : ■タイヤ選びのコツは愛車とのマッチング。変えてみると走りの違いも明確に

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