ヨコハマタイヤがラインナップするエコタイヤ「ブルーアース」。今まではどちらかといえば燃費重視のタイヤというイメージがあった。
しかし今回「ブルーアースGT」が登場。低燃費タイヤに”GT”と名付けたその真意とは!? 試乗インプレッションと共にお送りします。
文:ベストカーWeb編集部/写真:平野学
■従来製品よりもコシがあるのがいい!!
ヨコハマタイヤのブルーアースシリーズ。エコと走り(特にウェット性能)を両立するタイヤとして2012年にデビューした「ブルーアースA」が有名だろう。
転がり抵抗のグレードは「A」、ウェット性能も「a」という、経済性も燃費も両立した「良妻賢母型」だったブルーアースA。
ヨコハマタイヤとしてはブルーアースAをエコカーのみならず、ミドルサイズセダンやミニバン、そして輸入車にもピッタリなタイヤとして開発。
しかしエコタイヤというイメージのためか、コンパクトカー用のタイヤというイメージが市場では浸透してしまっていた。
さらに消費者からの「ラベリングはAA/aがいい(転がり抵抗をワンラックアップしてほしい)」とか「剛性感を増やしてほしい」なんて意見もあったそうだ。
これって実は「油で揚げてないのにジューシーなから揚げ」ばりに難しい要求なのだ。燃費をよくしようと思えば摩擦抵抗を減らさなければならないし、グリップやしっかり感を出すには当然その逆が求められる。
今回の「ブルーアースGT AE51」はその相反する条件を両立して「AA/a」を一部サイズを除き獲得。論より証拠、ということでさっそく試乗チェックをしてみよう。
天候は冬晴れで路面はドライ。気温15℃前後の箱根ターンパイクで試した。
■ステアリングを切った先の「グググッ」が特長だ
まずは先代製品になる「ブルーアースA」と後継の「ブルーアースGT AE51」の比較試乗。
試乗車両はレクサスGS300h。まずはブルーアースA装着車から乗る。ロードノイズも抑えられ、路面からの入力もゴツゴツしておらず非常に滑らかに思える。
たしかにレクサスGSのようなミドルセダンに装着すると、コーナリングで少し「フニャ~」っとする場面もあるが、静粛性や燃費も考えればバランスが非常にいい。
続いては後継のブルーアースGT。ロードノイズは微々たる差ではあるがGTのほうが大きい気もする。
その微細なノイズの差よりも強く感じたのは地面を離さない「ガッチリ」とした安心感。
特にコーナーの奥でブルーアースAが外側に膨らんでいこうとするシーンでも、ブルーアースGTは「グググッ」と踏ん張ってくれる。
この「グググッ」こそ剛性感の高さなのだ。これを感じられるのはコーナーの曲率に対してブレーキングが甘く、少しオーバースピードで進入してしまった場合。
同乗している家族から「お父さんなにしてるの~!!」なんて言われちゃう場面だが、ブルーアースGTならばしっかりしたグリップ感で車体の動きも落ち着き、同乗者が怖さを感じるシーンも減るはずだ。
路面からの入力もブルーアースA同様に非常にしなやかで、今回のレクサスGSのようなミドルクラスのセダンでもタイヤを起因とする振動やノイズに不満は感じられなかった。
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