Zは日産のプライド
Z32の生産終了後、いったんラインアップから消えたZ。その経験があったからこそ、今回、新型の登場につながったのだと思う。
前回の倒産危機の際に、復活の狼煙としてZが登場した、ということもそうだが、社員のあいだに「ここでZを絶やしたら日産は終わりだ」という思いが強くあったのではないか、と筆者は思う。一時期の消滅はあったが、これまで50年以上に渡ってつくり続けてきたZは、日産にとって「プライド」だからだ。
かつては、どの自動車メーカーもスポーツカーをラインアップさせており、なかでもフラッグシップスポーツカー、例えば、スープラやNSX、ZやスカイラインGT-Rなどは、その時代の憧れのモデルとして、ファンの心に強く印象付けられていることだろう。
初代や2代目モデルのように、今回の新型Zの売り上げが、日産の経営を救ってくれるわけではないが、技術の進化で、クルマがどんどん家電のようになっていくなか、自動車メーカー(本体や関連会社の中にいる社員さん)や、自動車ファンにとって、心の支えとなるのは、やはり「スポーツカー」だ。
トヨタも、スープラや86を復活させ、WRCへも復帰するなど、一時期途絶えていたスポーツカーへの回帰を果たしている。技術の進化により、「(クルマによる)移動を安全に楽しむ」という側面がクルマに期待されるなか、「運転そのものを楽しむ」という側面のアピールも、自動車メーカーにとっては重要度を増していると思う。スポーツカーは自動車メーカーとしての象徴であり、誇りだ。
日本市場の「フェアレディZ」の登場は今冬とされている。すでに北米で登場してはいるが、日産のお膝元である日本での登場を楽しみにしているファンは多い。この新型Zとともに、日産が今後さらに活躍していくことを期待している。
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