北米の小さな自動車メーカーは、たった1台の車を市販したのちに7年で会社がなくなってしまった。だが、そのメーカーの車は世界中の映画ファンがよく知っていて、いまだに大人気! それがデロリアンDMC-12だ。
今回はこの車の知名度を一気に引き上げた映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をご紹介しよう!
文/渡辺麻紀、写真/NBCユニバーサル・エンターテイメント
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【画像ギャラリー】散りばめられた小ネタにニヤリ……タイムトラベルものの傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観る!!
■いつ観ても色褪せることのない映画史に残る名作
ロバート・ゼメキスの出世作、85年に公開された『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下『BTTF』)はタイムSFの面白さを詰め込んだ傑作として今でも高い人気を誇っている。
変人博士ドクが発明したタイムマシンに乗って高校生マーティ・マクフライが1985年から1955年にタイムスリップ。そこで出会ったのは高校生の母親と父親。まだ付き合ってもいないふたりをくっつけないと、自分が歴史から消えてしまう!?
タイムSFにつきもののタイムパラドックスを写真で表現したり、ファッションや音楽、映画等サブカルチャーのギャップで笑わせてくれたり、はたまたどうやって“バック・トゥ・ザ・フューチャー”するのかハラハラさせてくれたり。
あらゆるシーン&エピソードにアイデアが散りばめられていて、まるでジグソーパズルのピースをはめて行くような気持ちよさがある。緻密に計算されたこの脚本(ゼメキスと、盟友のボブ・ゲイルの共作)は、いまでも色褪せていない見事なものだ。
『BTTF』は、ブームが起きるほどの人気を得て、その年のナンバーワンヒットを記録。続編が2本作られ、トリロジーになったのは誰もが知っていることだ。
『PART2』(89)では2015年の未来に行き、『PART3』(90)では1800年代の西部開拓時代へとタイムスリップする。現在を起点として、マーティとその家族や先祖、そして祖先、ドクの人生が絡み合いながらドラマが進行。3本が絶妙に繋がっているので3本をまとめて観るお楽しみもある。
大ヒットしたシリーズゆえに、多くの関係者が恩恵を授かっている。主人公のマーティ・マクフライを演じたマイケル・J・フォックスは本シリーズでブレイクし、ドク役のクリストファー・ロイドも個性派役者として活躍の場を広げ、監督&共同脚本のロバート・ゼメキスもハリウッドのトップ監督の仲間入りを果たした。
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