貸した側が駐車違反の罰則金を支払わなくてはならない!?
駐車違反にも要注意だ。もちろん、借りた側、つまり駐車違反を犯した本人が警察に出頭して駐車違反を認めれば、その人が反則金を支払い、違反点数を引かれることになる。
ただし、駐車違反を犯した本人が意図的に出頭しなかった場合、反則金が「放置違反金」という扱いとなり、違反を犯したクルマの登録者がそれを支払うことになってしまう。これは、車両の所有者が「適切な車両の管理」を怠った結果とみなし、所有者にも責任を負わせることを目的に平成18年に改正された法律だ。この規定により、道路交通法改正前に横行していた「友人にクルマを貸していた」という言い訳がいっさい通じなくなってしまったのだ。
ちなみに、放置違反金の支払いが滞ると車検を受けることができないため、逃げおおせることは100%不可能だ。
クルマを貸した本人が保険未加入であると所有者の保険が使われてしまう!?
クルマを貸した知人が、自動車保険に加入していない場合には、かわりに所有者が加入している自動車保険を使うことになってしまう。そのため、クルマを貸す、または運転してもらう場合には友人が自動車保険に加入しているかを確認することは必須だ。
注意してほしいのは、貸す側が家族限定特約をつけた保険に加入している場合だ。万一、知人も無保険だった場合には、事故の賠償金は一円も支払われないことに……。賠償金の支払い分担に関しては、両者の話し合いにはなるが、とにかく全額保険に頼らずに支払うしかなくなってしまう。
もちろん自分の自動車保険が使われてしまうと、たとえ第三者による事故であっても等級が下がり、自動車保険料がアップしてしまう。こういったことからも、クルマを貸したり、運転させたりする場合には、事前に保険に加入しているかを確認することは忘れずに。
盗まれたクルマが事故を起こしたら、その責任を負わなくてはならない場合も
「ちょっとコンビニに立ち寄るくらいだからまあいいか」と、ドアロックをせずに駐車場にクルマを停めたことがある人は多いのではないだろうか? これは絶対にNG。盗難のリスクが高まるどころか、そのクルマで窃盗犯が事故を起こした時に、賠償責任を負わされる可能性もあるのだ。つまり、被害者なのに加害者の立場に置かれてしまう可能があるということだ。
実際、盗難の被害者が賠償責任を負うべきか否かというに関する裁判は過去にいくつも発生している。
賠償責任が生じると判断されるのは、「クルマの適切な管理を行っていなかった」とみなされた場合だ。たとえば、エンジンをかけっぱなし、ドアロックをしていなかった、キーを付けたままにしていたなど、第三者が容易にクルマを盗める環境にしていた場合は、不適切な管理とみなされる。
また、盗難被害にあったにもかかわらず盗難届を警察に提出せずに放置していた場合なども不適切な管理に該当すると判定されることもあるため、クルマの盗難に遭ったら即効で被害届を。ちょっとでも遅れて、その間に窃盗犯が事故を起こしたら、窃盗に遭ったという証拠がなくなってしまい、たとえしっかり管理していたとしても賠償責任が生じる可能性もゼロとはいえないからだ。
もちろん、クルマの管理を適切に行っていたと判断されれば、窃盗犯が人身事故や物損事故を起こしたとしても、盗難被害に遭ったクルマの所有者にはその事故に対する損害賠償責任は生じることはない。
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