■旧型のほうがシブイクルマその2:ホンダ編/N-BOX、シャトル
スポーツモデルの消滅などで、クルマ好きから批判されているホンダだが、通常のモデルチェンジに目を移すと、デザインをシンプル化し、正しい方向に向かっていると感じさせる。
ただ、デザインのシンプル化はまだ始まったばかりなので、数年前のモデルチェンジでは、失敗を感じさせるものも存在した。
■先代N-BOX(2011年12月~2017年8月)vs現行N-BOX(2017年9月~)
相変わらず国内販売で快走を続けているが、ことデザイン面だけを見ると、旧型のほうが明らかに上だった。旧型は、真四角なハコでありながら、前輪のフェンダー形状がフロントマスクに食い込んだような造形で、強い踏ん張り感があった。
グリルやライト類などのディテールでも、旧型のほうがシンプル。旧型N-BOXは、販売的にも大成功だったが、そのデザインはユニクロや無印のシンプルデザイン路線そのもので、歴史的な傑作とすら言える。
ところが新型は、その傑作のいいところを削いで、細部を複雑にしただけ。基本的にはキープコンセプトなので、それほど悪くなったようには見えないが、明らかにデザインの純度は落ちている。
メカ的には着実に進歩しているし、ホンダセンシングも標準装備になったが、デザインを比較すると、明らかに旧型のほうがシブかった。私なら、旧型の中古車を狙います!
■フィットシャトル(2011年6月~2015年3月)vs現行シャトル(2015年5月~)
旧型も新型も、フィットをベースにステーションワゴン化したモデルだが、ハイブリッドのメカは、旧型のマイルドハイブリッドから、新型はDCTを採用した新型ハイブリッド(それも旧型になっちゃった……)になり、大幅に進化している。その点ではまったく比較にならないのだが、デザインに関しては逆の評価になる。
旧型は、先々代フィットを真っ当にステーションワゴン化していて、特にステキではなかったけれど、どこかヒョーキンでバランスは整っていた。「モテないけどイイ人」みたいな感じですね。
一方、2015年に登場した新型は、当時のホンダデザインの悪癖がすべて集約されたような、複雑なものだった。エッジラインは不必要に折れ曲がりまくり、いったい何を目指したのかサッパリわからない。「モテようとして失敗したイタい人」のようだ。
中身は断然新型がいいが、見た目は断然旧型のほうがヨカッタ。
■旧型のほうがシブイクルマその3:日産編/マーチ、エクストレイル
日産のラインナップは、まるでダメなモデルの廃止によって、かなり整理されている。それでも残っているダメ男君の筆頭はというと……。
■先代マーチ(2002年3月~2010年7月)vs現行マーチ(2010年7月~)
なぜこれをまだ売っているのでしょう。本当に最初から最後まで(まだ生きてるけど)、まるでダメなクルマでした。
デザインの安っぽさはもちろんのこと、乗り味すら旧型に負けていた新型車(11年前の登場ですが)って、現行モデルではマーチくらいじゃないか? あらゆる面で旧型が光り輝いて見えます! あくまで新旧マーチの比較内の話ですが。
■2代目エクストレイル(2007年8月~2015年2月)vs現行エクストレイル(2013年12月~)
2022年春頃にモデルチェンジを控えていて、「エクストレイルが角型に戻る!」と評判だが、やっぱり現在の欧州車的なコロンとしたフォルムはねぇ……。
特に悪くはないものの、我々日本人には刺さらなかったッス。カクカクしていた旧型を今見ると、なんかいいなぁ、シブいなぁと感じる。やっぱ日本人はタンスみたいな形がオフクロの味ですかね?
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