■費用対効果重視の本末転倒
もう少し具体的に書くと、制限速度60km/hとか70km/hの区間。
なぜか? オービスの場合、それなりの危険性がある速度じゃないとプライバシーの問題あるため取り締まれないからだ。一般道だと25km/h未満は前科にすらならない反則金で、お金払えばおしまいという軽微な違反。プライバシーを天秤に掛ければ、プライバシーの勝ち。
そこで走っているドライバーや助手席の人の顔までハッキリ写ってしまうオービスの取り締まり対象を「罰金になるような速度以上」としている。
首都高は大半が60km/h以下。そこを90km/hで走っていたら捕まえられと思えばいい。80km/h制限の高速道路も110km/hで捕まえられる。移動式オービス、そういった運用をされ始めた。
なぜ子供の安全確保のため使ってくれないのだろうか?
いろいろ調べてみたら(警察に直接聞いてもこの手の質問には答えてくれない)、どうやら運用してみたものの、ほとんど取り締まれなかったらしい。子供が歩いているような道路、大半は30km/h制限。そこを60km/h以上出しているクルマは”ほぼ”いないということです。
確かに私の家の近所の通学路や通園路、30km/h制限であり、そこを60km/hで走っているような無法者は限りなく少ない。
ただスピードガンで計ってみたら50km/hくらいまでの車両は非常に多い。車道と歩道の区別ない道路を50km/hで走っていたら十分危険。されどオービスだと20km/hオーバーを取り締まれないのだった。
そんなことから高い予算を投じて導入した移動オービスの運用実績が上がらず、比較的簡単に取り締まれる高速道路の「低速区間」で使われるようになったらしい。
子供の安全などどこかに行ってしまい、コストパフォーマンス重視になっている。こうなると「子供安全どうする?」と思うのだが、現時点で有効な対策無し。
参考までに書いておくと、欧米は30km/h区間の速度制限をきっちり守る。理由は簡単。制限速度の決め方が妥当だからだ。
日本のように守る気にならないほど低い速度制限だと、基本的に皆さん守れない。欧米の制限速度、コーナー手前で50km/hと表示されていたら、本当に50km/hがやっと。頑張って60km/hというイメージ。
したがって制限速度は守るべきものと認識している。一方我が国で妥当だと感じる制限速度などなし。強いて言えば幼児が歩く車道と歩道の区別の無い30km/h制限くらいだ。
警察は腰を据え、制限速度の正当化を行うべきじゃ。デタラメの制限速度だと基本的に速度表示を見て遵法運転しなければならない自動運転だって難しい。
【画像ギャラリー】子供が歩く道路の安全を守るはずだったのに!? 移動式オービスの最新事情(5枚)画像ギャラリー
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