■ワースト1位、10台に1台しか一時停止しないとされる岡山県警にも聞いてみた
今回調査の全国ワースト1位は岡山県。2018年は10.8%、2019年13.4%、2020年には7.1%に下落し今回も10.3%。2018年からの調査で一時停止率が悪化した都道府県は残念ながら岡山県のみ。その岡山県警の交通企画課にもお話を伺った。
こちらも長野県警同様、理由は「はっきりわからない」とのこと。
「お盆の時期も含むため県外からのクルマも多かった可能性もあり、またどの地点が調査対象になったのかわからないので何とも言えないが、このような結果が出たことについては真摯に受け止め、昨年11月から行っている横断歩道でのルールとマナーの徹底についての啓発活動をさらに徹底し、「目と手で合図!ストップ運動」を実施するなど対策を強化していく」とのコメントをいただいた。
また今年の秋の交通安全運動でも横断歩行者等妨害等は重点取り締まり項目で、現在も取り締まり強化中とのことだった。
JAFによると、調査方法は各都道府県で2カ所ずつ横断歩道をサンプルとし、JAF職員が横断歩行者となって1カ所あたり50回道路を横断し、調査を行なったとのこと。
場所は非公開だが道幅が2.75〜3.5メートル、交通量が1分あたり3〜8台程度のセンターラインがある片側1車線道路で、調査対象は自家用車と自家用トラック。調査期間は8月11日から8月30日の平日10〜16時の間(雨天除く)だったそうだ。
岡山県警の名誉のため、というわけではないが、調査結果と交通事故との相関性について調べてみた。結果としては、岡山県での交通事故発生率や横断中の死者数が全国の都道府県のなかで飛び抜けて多いわけではなかった。
岡山県と長野県を比較すると、令和2年中の岡山県での人身事故は全部で4288件、長野県では4802件。横断中の歩行者の死者数は岡山県11人に対し、長野県は10人。人口も岡山県189万人に対し長野県205万人と大きく変わらない。
岡山県での人口10万人あたりの交通事故死者数は3.28人と、全国平均の2.25人を上回るが、都道府県別ではワースト14位だった。
いずれにせよ横断歩道で歩行者が横断しようとしている時に一時停止するのはドライバーの義務で、一部の場所では一時停止するクルマの割合が著しく低かったことは間違いない。
秋が深まって陽が落ちるのも早くなり、緊急事態宣言も終わって人が再び街に戻ってきている今日この頃、改めて歩行者のいる横断歩道では必ず一時停止することを肝に銘じたい。
【画像ギャラリー】『あの時一時停止しておけば……』後悔先に立たず!! 歩行者が渡ろうとしている横断歩道で止まらないのは違反です!!(10枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方