■欧州で売れてるトヨタ車 ベスト5は?
ここからはハイブリッド率も交えながら、欧州で売れているトヨタブランド各車を短く紹介していきたい。
◆1位:ヤリス/16万2078台/HV比率:80.8%
ハイブリッドの動力性能やクルマ自体が欧州でも通用する点、ハイブリッドの燃費のよさ、ヤリスでのWRC参戦と、ヤリスはトヨタの欧州でのシェア拡大を牽引する、象徴的な存在といえる
◆2位:RAV4/13万630台/HV比率57.9%、PHV率13.1%
こちらもヤリス同様の理由で売れており、日本を含め世界中で売れるという商品力の高さを強く感じる。またプラグインハイブリッドは、比率以上に欧州に今年1~9月に掛けて1万7206台供給されていることにも驚く。
◆3位:カローラハッチバック&ツーリングスポーツ/10万929台/HV比率95.6%
ステーションワゴンのツーリングスポーツは、日本のカローラツーリングより大きいボディサイズとなる。
ハイブリッドはプリウスなどと同じ1.8Lエンジンとモーターを組み合わせるタイプに加え、レクサス UXに載る2Lハイブリッド(それぞれ最高速は180km/hで同じだが、0-100km/h加速は約11秒から約8秒に向上)も設定し、芸が細かい。
また、カローラはセダンも今年1~9月に掛けて欧州で6万2943台(HV率53%)売れている。
◆4位:C-HR/9万3049台/HV比率:98.2%
日本ではRAV4の登場以来埋没しているが、欧州では好調だ。この点は欧州でも、以前の日本車だとファミリアアスティナや6代目シビックの3ドアハッチバックのような、スタイリッシュなクルマが売れるケースがあるのと似ているのかもしれない。
なお、C-HRもハイブリッドはカローラハッチバック&ツーリングスポーツ同様、1.8Lと2Lを設定する。
日本では将来が危惧されているところもあるC-HRだが、欧州でこれだけ売れているのを見ると、欧州でのヤリスクロスの販売本格化による影響や日本導入の継続はともかくとしても、世界的には次期モデルも期待できそうだ。
◆5位:アイゴ/7万401台 ※ハイブリッドなし
アイゴは欧州専売で、日本車ならパッソ/ブーンやマーチ、欧州ではVW UP!などに相当するエントリーカーだ。TNGA-Bプラットホームを使うと思われる次期モデルのコンセプトカーがすでに公開されており、それでも「これだけ売れている」ともいえる。
また、現行アイゴはトヨタ主導で開発され、プジョーとシトロエンにも供給されていたが、次期アイゴではプジョーとシトロエンへの供給はなくなる可能性が高い。
■日本と欧州 顔ぶれ異なるトヨタの人気車
さて、日本で今年1月から9月にかけて売れたトヨタブランドのベスト5車は以下の通りだ。
◆2021年1-9月 トヨタ 販売台数ベスト5車【日本国内】
1位:ルーミー/10万6284台
2位:ヤリスクロス/8万2800台
3位:ヤリス/8万1620台
4位:アルファード/7万9676台
5位:ライズ/6万4505台
6位と7位にはハリアーとヴォクシーも入るが、全体的に日本は小型車の人気が高い。
続いていま一度、欧州で同時期に売れたトヨタブランドベスト5をおさらいしよう。
◆2021年1-9月 トヨタ 販売台数ベスト5車【欧州】
1位:ヤリス/16万2078台
2位:RAV4/13万630台
3位:カローラハッチバック&カローラツーリングスポーツ/10万929台
4位:C-HR/9万3049台
5位:アイゴ/7万401台
このように、欧州で売れているトヨタブランドはバランスがいい印象だ。
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日本メーカーは諦めている感があるところも多い欧州市場においても、挑戦し、好調となっているのもトヨタの凄さのひとつだ。
欧州でのトヨタの好調も日本での一人勝ちに近い結果であり、欧州市場は求められるものが高度なこともあり、費用対効果の問題などもあるにせよ、ほかの日本メーカーもトヨタのように欧州市場に対して、自動車メーカーとしてのプライドといった側面も含めて頑張ってほしいところだ。
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