2011年の東日本大震災でも大活躍! 航空自衛隊入間基地輸送ヘリ、CH-47J(チヌーク)に同乗レポート!!

2011年の東日本大震災でも大活躍! 航空自衛隊入間基地輸送ヘリ、CH-47J(チヌーク)に同乗レポート!!

 日本を空から守る、まさに「空の精鋭」が航空自衛隊。今回、航空自衛隊入間基地内に潜入して密着取材する機会を得て、輸送ヘリのCH-47J(チヌーク)の同乗レポートをお届けしよう!

文/フェルディナント・ヤマグチ写真/平野 学

【画像ギャラリー】半世紀以上飛び続ける信頼の翼CH-47Jチヌークの雄姿を航空自衛隊入間基地でチェック!!(14枚)画像ギャラリー

■タンデムローター形式の輸送ヘリ、チヌークとは!?

 短命で終わってしまったベストカー本誌での連載、「ドライバーズインタビュー、同乗道場」であるが、今回はシリーズの最後っ屁として特別編をお届けする。

 「チヌーク」の愛称で知られる航空自衛隊の大型ヘリコプターCH-47J搭乗記である。災害救助などで活躍する機会も多いので、報道で目にされた方も多いだろう。機体の前後に大型のローターが据えられた、タンデムローター形式の輸送ヘリである。

チヌークのボディサイズは全長15.88m、全幅4.8m、全高5.69m。航続距離は6t搭載時で約1000kmが可能

 開発したのはボーイングバートル社(現ボーイング社)。原型機となるモデルA型は、1962年にアメリカ陸軍輸送ヘリコプターとして(つまりはアメリカのベトナム戦争への本格的な軍事介入に合わせて)就役し、以来B型、C型と順次性能向上と近代化が図られてきた。

 御年59歳。サラリーマンであれば来年には定年を迎える年回りだが、改良に改良を重ねて、今でも現役バリバリ最前線で活躍しており、現段階では代替機が存在しない名機である。日本では正式採用以来川崎重工がライセンス生産を行っており、航空自衛隊と陸上自衛隊に累計で100機もの機体が納入されている。

 今回搭乗させていただいた航空自衛隊は、現在15機のチヌークを保有している。搭乗前には、パイロットの溝口希(のぞむ)3等空尉からじっくりと機体の説明を受けた。

チヌーク同乗前のブリーフィング。ここでは同乗取材時に守るべき確認事項などのレクチャーを受けた

■チヌークには前後にふたつのローターが配置されている

 「チヌークとふつうのヘリとの一番の違いは、タンデムローターという、大きなローターが前後にふたつ配置されている形式であることです。前後のローターが逆方向に回転することにより、機体の回転を防いでいるんです。

 ローターがひとつだけのヘリは、機体後部にブームが伸びていて、その先端に垂直方向に回る小さなプロペラが付いているでしょう。あれがないと、機体はローターの回転に合わせてクルクルと回ってしまうんです。

輸送ヘリのCH-47J、愛称チヌーク

 出力はターボシャフトというジェットエンジンの一種であるエンジンから軸出力を得ています。これが後ろのローターの付け根の部分に2基備わっています。前のローターにはエンジンがなくて、後ろから太いシャフトを介して動力を伝えています。

 そうそう、自動車のドライブシャフトと一緒ですね。自動車の場合は床下ですが、チヌークは機体内部の天井部分に軸が通っています。

 エンジンは片方が止まってしまっても飛行できるほど強力なものです。チヌークの馬力ですか? うーん。これはちょっと私の口からは申し上げられません。ネットなどにたくさん情報が出ているので、そこで調べてください。間違っているものも多いですから注意してください(笑)。

 ローターの部分に注目してください。前後お互いのローターが交差しているでしょう。ギアを介して回っているから、ピッタリ同調して回転するんです。だからローター同士が衝突して破損してしまう、なんてことは絶対にないんです。

 機体を見ると、左右にエラが大きく張り出しているでしょう。中には燃料タンクとアビオニクス(電子機器)が入っているのですが、旧型にはこのエラがありませんでした。航続距離が格段に伸びたのですが、操縦は少し難しくなりました。

ボディ横に大きく張り出しているのが特徴的なチヌークの機体。ここには燃料タンクや電子機器類が格納されている

 なぜかって、ローターが自分で起こした下向きの風を、このエラ部分が受けてしまうからです。空中の一定の位置にピタッと止まるホバリングの際や、空中でゆっくり「回れ右」する時などには古い機体よりも神経を使いますね。まあ、これは慣れの問題ではあるのですが。

 それでは機体に乗り込んでもらいましょう。ヘルメットを必ず着用して、このヘッドセットを付けてください。このスイッチを押すとマイクが入ってフェルディナントさんの声も聞こえるようになります。ただ、今日は基地内上空で訓練飛行を行いますので(我々は訓練中のヘリに乗せていただいたのだ)、管制官と常に連絡を取り合って飛行しています。

 凄いとか怖いとか余計なことは独り言でお願いします。マイクを通さずにお願いします(笑)。」

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