セダンは死なず!! まだまだ魅力的な国産セダン4選

■スバル WRX・S4(価格帯:400万4000円~477万4000円)

スバル WRX S4。低重心かつ高剛性でコーナリングも安定している
スバル WRX S4。低重心かつ高剛性でコーナリングも安定している

 低重心で高剛性というセダンのメリットを実感させる車種がWRX・S4だ。新型は水平対向4気筒2.4Lターボを搭載して、最高出力は275馬力(5600回転)、最大トルクは38.2kg-m(2000~4800回転)に達する。駆動方式はセンターデフを使ったフルタイム4WD(VTD-AWD)だ。

 これだけ高性能なメカニズムを搭載して、優れた走行性能を発揮させながら、WRX・S4は乗り心地も快適だ。そのためにスポーティな走りを楽しみながらカーブを曲がる時には、ボディが相応に傾く。

 それでもドライバーに不安を感じさせないのは、低重心で高剛性のセダンボディによるところが大きい。サスペンションの取り付け剛性も高く、ボディが大きめに傾く時でも、挙動の変化は穏やかに進む。

 唐突な挙動変化が生じないため、車両の動きも安定して、ドライバーは運転しやすい。また挙動の変わり方が分かりやすいと、運転の楽しさも味わえる。セダンは先に述べた通り安心と快適が優れているが、同じ理由により、運転の楽しさも高めやすい。そこにWRX・S4の魅力がある。

■トヨタ カローラセダン(価格帯:193万6000円~294万8000円)

トヨタ カローラセダン。現行型は3ナンバーサイズだがセダンの中ではコンパクトな部類に入る
トヨタ カローラセダン。現行型は3ナンバーサイズだがセダンの中ではコンパクトな部類に入る

 価格の求めやすいセダンとして、今も昔もカローラを挙げられる。現行カローラセダンは3ナンバー車だが(5ナンバーサイズのカローラアクシオは継続生産型)、全長は4495mm、全幅も1745mmに収まる。

 最小回転半径は、15インチタイヤ装着車は5m、16/17インチでも5.3mだ。従ってカローラは、今でもセダンの中ではコンパクトな部類に入る。

 内外装は価格の割に上質で、エンジンは実用回転域の駆動力を高めた1.8Lのノーマルタイプとハイブリッドが売れ筋だ。走行距離や使い方に応じて選び分けたい。

 クルマ好きにとっては、スポーティなW×Bに、1.2Lターボエンジンと6速MTが用意されることもメリットだ。1.2Lターボは特に高性能ではないが、実用回転域の駆動力が高く扱いやすい。そこに6速MTを組み合わせたから、パワーを出し切る楽しさを味わえる。ここにも低重心で剛性を高めたセダンの良さが息付く。

■トヨタ クラウン(価格帯:489万9000円~739万3000円)

トヨタ クラウン。5m近い全長でありながら取り回しも悪くなく、後席も広々と余裕がある
トヨタ クラウン。5m近い全長でありながら取り回しも悪くなく、後席も広々と余裕がある

 初代クラウンは日本で最初の量販高級乗用車として、1955年に発売された。当時は「日本では自動車産業は育たない」という見方もあったが、クラウンは好調に販売されてほかの自動車メーカーにも刺激を与えた。その後の自動車産業に、繁栄をもたらしている。

 つまりクラウンはトヨタの主力車種であり、日本車の中心的な存在でもある。いつの時代もクラウンは好調に売られてきたが、最近は前述の通りセダンのカテゴリーが全般的に売れ行きを下げている。そこで現行クラウンは、スポーティ指向を強めて個性化を図った。

 この大幅な路線変更が販売面でマイナスに結び付いた面もあるが、車両自体は魅力的だ。現行型は全長が4910mmと長いこともあり、後席にも広々とした余裕がある。4名で快適に乗車できる。

 その一方で全幅は1800mmに抑えられ、2WDの最小回転半径は5.3mだから、前述のカローラセダンと同じ数値だ。全長が5m近い割に取りまわし性が優れている。

 グレード構成はスポーティなRSが中心で、これも販売不振の原因だが、走行安定性が優れているから高速道路での危険回避も的確に安心して行える。街中では乗り心地が少し硬く感じるが、高速道路を中心とした使い方なら、セダンのメリットとされる安心と快適を満喫できる。

 直列4気筒2.5LハイブリッドのWLTCモード燃費は20km/Lとされ、走行距離が伸びるユーザーにとっては、燃料代の節約も魅力だ。特に最近はガソリン価格が高騰しているから、レギュラーガソリンで低燃費の2.5Lハイブリッドは注目される。

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