早く新車に乗りたい! 最新ミニバンやSUVの納期遅延は解消されるのか!?

■同じ車種でもグレードによって納期差が

2021年11月に登場したトヨタ ライズでは、Zグレードが大きく遅延しているのに対して、他グレードでは2カ月ほどで納車可能となっている
2021年11月に登場したトヨタ ライズでは、Zグレードが大きく遅延しているのに対して、他グレードでは2カ月ほどで納車可能となっている

 また、納期遅延が以前よりピンポイントとなってきているようにも見え、さらに同じモデルでも納期の差が激しくなっているケースもある様子。

 例えば2021年11月1日に一部改良を行ったトヨタライズでは、Zグレードが2021事業年度内(2022年3月末まで)に納まるかどうかと遅延しているのだが、そのほか(新設定されたHEVも含む)の仕様では2カ月ほどで納車可能予定となっている。

 また、2021年11月25日に一部改良モデルが正式発売となった三菱エクリプスクロスも、12月上旬に聞いたところでは、PHEV(プラグインハイブリッド車)であっても2カ月ほどで納車できるとのことであったが……。

 「11月末に令和3年度補正予算案に、クリーンエネルギー自動車購入に関する補助金が盛り込まれたとのニュースが流れるやいなや、PHEVの受注が急増しました。現段階で納期は2カ月ほどとご案内いたしましたが、これは一定台数を生産できる部品を確保してから生産を開始し、発売したためのようなのです。

 つまり、この初期ロットとも呼べる生産分を売りつくせば、その後の生産は滞る可能性は高いですね」とは三菱系新車ディーラーのセールスマン。

 前述したライズにしても同じような状況のため現段階では納期が早めになっている可能性は高い。

 前述したカローラクロスでも、ガソリン車ならば2021年12月上旬現在で、2022年2月には納車可能な仕様もあるようだ。

 ただ、2020年6月の正式発売から人気が高く納期遅延の続いているトヨタハリアーでは、ガソリン車で2022年6月あたり、HEVでは2022年9月あたりを納車可能予定としており、納期遅延傾向が際立って見える。

 しかし、オプション次第ではさらに納期が延びるというのだが、この納期遅延傾向は昨今のサプライチェーンが混乱する以前とたいして変わらないので、見方を変えればハリアーも若干の納期遅延改善が進んでいるのかもしれない。

 そもそも納期の短かったアルファードでは、現状でも3カ月も待てばほぼ間違いなく納車となるので、2021事業年度内に納車が間に合いそうな数少ないモデルといえる。そのため2022年1月になってから事実上スタートする、2021事業年度末決算セールでの目玉車(納期早く、値引き額も拡大している)となりそうだ。

■納期遅延が中古車価格にも影響

納期遅延が顕著だった頃のトヨタ アルファードは中古車に人気が集中し、結果高年式車のオークション価格がアップするという現象も見られた
納期遅延が顕著だった頃のトヨタ アルファードは中古車に人気が集中し、結果高年式車のオークション価格がアップするという現象も見られた

 2022年1月13日には新型ノア&ヴォクシーがデビュー予定となっているが、新型車は昨今の生産遅延問題がなくとも納期が乱れ遅延傾向になりやすい。

 販売現場では納車まで時間のかかる新型ノア&ヴォクシーでは事業年度内での販売実績への反映、つまり決算への反映ができないので、新型ノア&ヴォクシー目当てのお客へ、アルファードへの購入希望の変更を促す動きが目立ちそうだ(残価設定ローンを組めばアルファードが絶対的に買い得)。

 アルファードは納期遅延のひどかった9月や10月では、中古車不足も顕著となり、それ以前に対し1年落ち高年式車のオークション相場が50万円アップした(一般的には減価償却が進むのでそのようなことはまず起こらない)という事例も聞いている。

 資産価値が高いともいえる日本車はアルファード、ランドクルーザー系や日産GT-Rなど極めて限定的といっていいだろう。

 「下手をしたら1年近くも納車を待たなければならないのに、なぜそんな時期に新車を購入するのか?」と疑問に思う人も多いはず。実際には今でも毎月新車を購入する人は多くいる。その答えはまさに乗り換え予定の現有車の価値がハンパのない上昇を見せているからである。

 アルファードだけでなく、プリウスαでも、査定額が初夏ごろに比べて50万円アップしたと聞いている。高年式人気車で程度良好ならば、まさに売り時なのだが。いまの中古車不足は高年式車だけではなく、低年式の格安中古車と二分しタマ(在庫)不足が続いている。

 そのため、低年式車でも人気のSUVやミニバン、軽自動車では意外なほどの下取り査定額や買い取り査定額が飛び出す可能性は高い。

 9月・10月あたりが下取り額や買い取り額の“テッペン”ともされているが、まだまだ平常時より高値が期待できる“売り時”が続いており、販売現場ではこれを突破口にして新車の販売促進活動をおこなっている。

 「通勤などで日常的に使うことがないならば、新車を待つ(納期遅延)分は得する可能性が十分高い」とは現場のセールスマン。

 生産状況の改善が進んだとしても、店頭に届く新車は受注残車両(契約はもらったが、いまどきなら生産遅延で新規登録[軽自動車は届け出]ができずに納車できていない車両)から順番に届くので、納期遅延傾向は程度の差こそあれ、まだまだ続く見通し。

 それでも販売現場では、2021年12月は例年ならば暦年締め(1月~12月)での年間販売目標台数必達のために、ディーラー在庫車を中心に年内納車が間に合う車種のまさにバーゲンセールが展開される。

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