■S13からS15の橋渡し役となったS14。狭間モデルのためか中古車相場は低めだ
現在、S14シルビアの中古車の流通台数は約68台で、平均価格は約217万円。2021年8月時点では流通台数約60台、平均価格約225万円だったので、値落ち傾向となっている。現在、S13シルビアの中古車の平均価格は約251万円、そしてS15シルビアの平均価格は約252万円なので、この3世代のなかでは割安となっている。
中古車の価格帯は約70万~約455万円で、新車時価格を超える中古車も出回っている。中古車は人気薄だからこそ、割安な価格で手に入れることができる。とはいえ、この3世代のシルビアはドリフト用の車両やカスタマイズされているクルマが大半で、フルノーマル車を手に入れようとすれば、新車時価格をはるかに上回るのは覚悟していなければならない。
■S14の人気は前後の2車にかなわず。しかしこのクルマなくしてS15はなかった
以前、R33型そしてR34型スカイラインGT-Rの開発担当者を務めた渡邉衡三氏にインタビューした際に、興味深いことを話してくれた。R34GT-Rを発表した際に「富貴三代方知飲食」という言葉を書いたそうだ。
これは、スカイラインGT-Rも3世代続いたことで、グルメの人の舌を満足させるクルマができた、という意味を込めていたのだ。つまり、味というのは3代(3台)続けて初めてわかる微妙なものなのだという。
シルビアも大ヒットモデルとなったS13からS14を経てS15の3世代目で多くの人を納得させるクルマに仕上がったといえるのであろう。従ってS15シルビアはS14が存在しなければ、これほど名車と言われなかったかもしれない。
人気というのは時代によっても変わるものであるし、人によっても変わるもの。S14シルビアに鮮烈な印象を受けたのであれば、たとえ人気薄であろうと手に入れたほうが有意義なカーライフを送れるはずだ。
あのAE86だって、最初は白黒ツートンの3ドアHBは人気薄で、レビンのほうが人気があった。しかし、漫画の影響で状況は一変した。人々の趣向はそういった影響ですぐに変わることがあるのだ。
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