人生は難しい。いくら才能に満ちた人物であろうとも、ちょっとしたタイミングの違いや環境のせいで、本来受けられたはずの栄光を逃すという悲劇が、よく発生する。でもこれ、クルマでも同じこと。性能は悪くないのに、すでに評価を得ているクルマがいたりすると、それだけで日陰者になってしまうことがよくある。そんな名車の影となった悲運のクルマに今、光を当てる。涙なくして読めないゼ!?
車両解説/片岡英明
※ベストカー2021年1月10日号より転載
■三菱 FTO(1994〜2000年)
三菱が1994年秋に送り出した個性派のスポーツクーペがFTO。エンジンは1.8Lの直4もあったが、主役は2LのV型6気筒DOHC。最上級グレードは可変バルブタイミングリフト機構のMIVECを搭載、200psを発生していた。
日本初のスポーツモード付き4速ATも採用し、日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝くなど奮闘した。が、翌年ホンダはインテグラに似た性格のエンジンを積むタイプRを加え、FF最速の称号をFTOから奪ってしまう。クセの強いデザインも災いし、やや盛り上がらないまま消滅した。
≪編集部からのコメント≫当時クセの強いとされたデザインも、今見るとカッコよし。希少な5速MTに乗りたいね。
■日産 2代目ムラーノ(2008〜2015年)
ムラーノは北米向けに開発されたクロスオーバーSUV。初代モデルは個性的なスタイルが話題となり、クリーンヒットを飛ばした。世界80カ国で発売され、大ヒットした初代ハリアーのライバルとして一気に注目を集めたのである。
その2代目は世界を狙って質感を高めた。が、対する2代目ハリアーはハイブリッド車が好評を博し、ムラーノを突き放す。結果、わずか2代だけで日本から姿を消していったのだ。
≪編集部からのコメント≫デザインは確実にムラーノのほうが頑張ってたが、ハリアーHVはパワフルだったね。
■トヨタ MR-S(1999〜2007年)
MR2の栄光を取り戻すために登場したMR-Sは、痛快な走りのミドシップを採用している。しかもロードスターと同じフルオープンの2シーターだから爽快感でも負けていない。エンジンは1.8Lの1ZZ-FE型直列4気筒ハイメカツインカムだ。VVT-iを採用しているから扱いやすかった。時代に先駆けてシーケンシャル5速MTを設定するなど、話題性も高かったが……。デザインがダサかったのかな!?
≪編集部からのコメント≫ 近年、その走りの実力も再評価される傾向だが、デザインがダサかったのかな!?
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