■中華EVが大挙襲来? 和製商用車の盲点とは
10月12日、日本経済新聞が「中国が商用EVの対日輸出を活発化する」と1面トップで報じた。
当欄でもたびたび紹介しているが、確かに中国製商用EVの存在感は増している。
たとえば10月中旬、物流大手のSBSは、日本のスタートアップ「フォロフライ」が開発した東風小康汽車(東風汽車集団の子会社)製の小型EVトラックを採用すると発表した。今春には佐川急便も、スタートアップ「ASF」と電動の軽貨物車を共同開発し、その生産を広西汽車集団が担うと公表している。
すでにBYDの大型電動バスは日本各地を走っているし、小型商用EVとして日本で初めてナンバーを取得した「ELEMO」という電動車も、生産は中国で行われているのが現実だ。
こうした動きに対し、日本の自動車メーカーも動き始めてはいる。トヨタが日野、いすゞ、スズキ、ダイハツと組んで商用車の電動化・IT化に動き出したばかりだし、日産は欧州でタウンスターという小型の商用EVを発売した。
しかし商用車は顧客のコスト要求が乗用車とは段違いに厳しいため、中国車の圧倒的なコストパフォーマンスを前にすると、精彩を欠いているのが現実なのだ。
運行管理やメンテナンスサービスといった付加価値をどう組み合わせるかが日本車の課題だと思うのだが、ここでもコストは大きな壁。日本勢の挽回に期待したい。
■トヨタが電池工場建設 米の電池争奪戦激化!
バイデン大統領の就任以来、脱炭素に前向きなアメリカ。そのアメリカの自動車業界で、「電池を自前で作ろう」という動きが加速している。
例えばトヨタは北米で、系列の豊田通商と組んで電池製造の子会社を作ると発表した。建設地は非公表だが、2025年には稼働を開始し、まずはハイブリッド用の電池を生産するという。
トヨタ車の電池といえばパナソニックという印象が強いが、今回あえて手を組まなかったのは、意思決定の速度を高めるためと、電池の原材料調達に強い豊田通商のノウハウを重視したためだろう。
トヨタだけではない。テスラがネバダ州で稼働させているギガファクトリー(パートナーはパナソニック)は電池生産の元祖だし、今年に入ってGM、フォード、ステランティスという旧ビッグ3も、それぞれ前出の表のような韓国企業と組んで、EV用電池を自前調達すると発表している。
各社が電池の内製化を急ぐ背景には、EVの構成要素でもっともお金がかかる電池を外注することのムダ削減と、資源相場や需給関係で不安定になりやすい電池の調達を長期にわたって安定させたいという意図がある。
北米に限らず、今後は欧州やアジア圏でも電池の争奪戦が始まる。置いてきぼりにならぬよう、日本も要注意だ。
■そのほかの近未来系ニュースを20秒でチェック
●モバイルバッテリーで自転車を電動アシスト
あちこちで見かけるようになったシェアサイクル。でもいざ借りようとすると、バッテリー残量がほとんどない車両ばかりであきらめた、という経験が筆者にはある。
そんな不運を防ごうとホンダが知恵を絞った。スマホの充電などに持ち歩くモバイルバッテリーを自転車のアシスト電源に使おうという2電源システムだ。
具体的にはハンドル部分にモバイルバッテリーを接続できるコネクターを設け、車載バッテリーと併用できるようにする。シェアサイクル事業者と組んで2022年から実証実験を始めるというから、早く実用化してほしい。
●中古車相場が急騰中
筆者は中古車サイトをチェックするのが大好きだが、今年に入ってからの中古車の値上がりにはまいっている。中古車オークション大手のUSSによれば、9月の中古車の平均落札価格は前年同月に比べて16%高く、16か月連続の値上がりだそうだ。
その理由は、供給不足によって新車の納車が遅れ、すぐ乗れる中古車に注目が集まっているため。この傾向は来春くらいまで続きそうだから、クルマの買い替えを考えている人は慎重に。
●太陽光パネルの上を車が走る
日本には太陽光パネルを置く場所がないと以前にも書いたが、道路の舗装会社が路面に太陽光パネルを敷き詰める研究を進めている。ここで発電した電気を、街灯やEVの充電に使おうという作戦だ。
すでにNIPPOや大成建設、東亜道路工業などが検証を重ねており、耐荷重性などはクリアできているようだ。「クルマの電気を道路で作る」というのは素晴らしい発想だけに、応援したい!
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