次期セレナは打倒ノア&ヴォクシーでミニバン新時代の旗手となるか

「ノートオーラ」級のインテリアが欲しい!!

木目調パネルやツイード調織物の採用して、上質さと心地よさを高めたノートオーラのインテリア
木目調パネルやツイード調織物の採用して、上質さと心地よさを高めたノートオーラのインテリア

 セレナは、ミドルサイズミニバンジャンルにおいて、2018年と2019年の2年連続で、登録台数トップを獲得している。しかし、2020年はヴォクシーがトップに、2021年も、このままのペースでいくと、ヴォクシーがナンバーワンとなる見込みだ。

 全高と全長は、3車の中で最も大きく、特に、エルグランド(1300mm)よりも高い室内高(1400mm)による使い勝手の良さは、セレナの大きな魅力のひとつだ。3列目シートの左右跳ね上げ式も、広い荷室スペースの形成に一役買っている。こうしたセレナの「長所」は、次期型でもしっかり踏襲されるであろう。

 しかし、長所を伸ばすだけでなく、現行セレナがもつ弱点をしっかりカバーしなければ、新型ノア/ヴォクシー、新型ステップワゴンに太刀打ちできるはずがない。現行セレナの弱点、それは「インテリアの質感」だ。

 セレナに限らず、日産車はこれまで、インテリアの質感がチープで、かなり不評だった。しかし、アリアや北米で発表された新型Z、現行ノートやノートオーラなどで見せてくれたインテリアセンスは、日産車とは思えない仕上がり。やればできるなら、もっと早くやってほしかったと思う。

 特にノートオーラでは、欧州車ばりのフルデジタルメーターの採用をはじめとして、ダッシュボードのつくりやインフォテイメントモニターのレイアウト、ステアリングホイールなど、すっきりと、使いやすく、上質だ。ギラギラと派手なこともなく、「丁度良い節度を保った和モダン」とでもいうべきか、センスが良い。

 これに加えて、「アリア風」の新顔で決めてくれば、セレナは、再びミニバンランキングの首位に躍り出ることはできる、と筆者は考える。

サプライズとして、上級グレード向けに欲しい「VCターボe-POWER」

欧州市場に2021年夏から投入されている新型キャシュカイ。可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとした新たなe-POWERを搭載
欧州市場に2021年夏から投入されている新型キャシュカイ。可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとした新たなe-POWERを搭載

 さらにライバルを突き放す戦略として、欧州で販売されているSUV「キャシュカイ」の新型で用意される1.5L直4VCターボを発電用とした「e-POWERターボ」を搭載したグレードを、セレナの上級グレードにも用意してほしい。

 日本仕向けの新型エクストレイルに搭載される見込みであるこの「e-POWERターボ」は、新型キャッシュカイでのリリースによると、最高出力140kW(187ps)、最大トルクは330Nm。現行E13ノートの「第2世代e-POWER」に対して、およそ1.2倍はパワフル、ということになる。これだけのパワーがあれば、次期型セレナにとってかなり強力な武器になる。

 日本仕向けの新型エクストレイルは、三菱のアウトランダーと兄弟車となったことで、プラグインハイブリッドモデルが用意されることが濃厚だが、ミドルサイズミニバンであるセレナには、高額となるプラグインハイブリッドモデルは、さすがに用意されることはないだろう(あるとしたらエルグランドか)。

 また、現行セレナにある「AUTECH」は早急に用意してほしい。湘南ブルーをイメージカラーとした、プレミアムスポーティ仕様「セレナAUTECH」の上級バージョン「セレナAUTECH SPORTS SPEC」の足の良さ(ショックのいなしとボディモーションの両立レベルが高い)は、ちょっと感動ものだった。

 足周りのチューニングだけでなく、フロアの車体対策も施された特別仕様であったが、次期型にあの足をそのまま移植してほしいと思うくらい、いい仕上がりだった。日産はノートで派生車を連投させてきたが、セレナでもこうした派生車を続々と登場させ、ユーザーに選択肢を多く用意することでも、ノア/ヴォクシーやステップワゴンとの差別化につながり、一歩前へ出ることはできると思う。

 次期型セレナの概要が判明するのは、あと1年ほど先となるだろう。日産の国内を支えていた3本柱の一角として、何処まで進化した姿を魅せてくれるのか、非常に楽しみだ。

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