■販売戦略と気になる在庫
ホンダの場合、N-BOXのような量販戦略モデルについては独自の発注方式をしている。各店舗には過去の実績に基づいた枠配車方式を採用しており、販売実績の多い店舗には多くの割り当て台数がデリバリーされる仕組みになっている。
これに基づき各店舗は今後3か月程度の需要動向を見ながら、グレード、ボディカラー、メーカーオプションを見込んでメーカーに発注。これに対応させてメーカーのホンダは生産を行い各店舗に配車する。
その配車したモデルの売り切りに目途をつけないと、次の割り当て枠分の発注が原則としてできないので、時には大幅値引きしてでも売りさばいてしまわなければならないことになる。
N-BOXのような人気の高いモデルは発注し、配車された多くのモデルはあまり時間をかけないで枠の消化(売り切る)ことができるが、時にはボディカラーやグレード、オプションがニーズと合致せず、売れ残ってしまうケースも生じる。
これが可能な限り少なくなるように、各販社はなるべく売れ筋のグレードとホワイト、ブラック、シルバーなどのボディカラーを重点的に発注することになる。
ただ、メーカーとしてはあらゆるマーケットニーズに対応させるためにノーマルのN-BOX 8タイプ、上級&スポーツバージョンのカスタム5タイプ、合計13タイプ。
ボディカラーはノーマルがモノトーン8色、2トーン3パターン、カスタムはモノトーン6色、2トーン3パターンの合計14色、6パターンを揃え、それぞれ過去の販売実績を勘案し、各販社に割り当てる配慮もしている。
このように調整しないと全ラインナップの生産販売に支障をきたす可能性があるからだ。各グレード、ボディカラーのラインアップは当然売れ行きに差があるので、在庫と売れ行きとの関係でそれぞれ納期に違いが生じて来るのである。
トヨタの量販モデルの生産発注システムは、ホンダとまったく異なる。基本的にはユーザーからの成約を受けてから組み立てて納車するようにシステムにしているので、納期は長めになるが、メーカーのモータープールや販売店の在庫車は極端に少なくなる。
日産以下各社も基本的にはホンダと同じ発注システムを採用している。スポーツモデルなどの少量生産車はいずれのメーカーも受注生産方式である。
■従来型はほぼ完売だが在庫があれば大幅値引きも可能!?
ホンダは従来N-BOXの生産を11月中旬あたり打ち切り、これまで在庫一掃セールを行って来たが、12月上旬にはほぼ売り切っている。しかしながら、見込み発注は販売店によって格差があるので、在庫状況も違いが生じている。
同じ販社でも店舗によって異なるので、従来在庫を可能な限り格安で買うには、可能な限り多くのホンダカーズ店を回り、激安の在庫を探すのがベスト作戦となる。ナビ、ETC付きなら20万円以上の値引きが可能となる。2022年モデルだと、3万円以上値上がりする上に8万円引きと渋ちんに変わる。
【証言:首都圏ホンダカーズ店営業担当者】
N-BOXの2022年モデルは12月16日の発表、17日からの発売。価格が決まり見積書の作成が可能になっているが、(編注:本取材時点では)まだ改良モデルの商品内容がわかるカタログやパンフレットは存在しない。それでももうかなりの購入希望者が成約している。
標準タイプとカスタムでは60%対40%で標準タイプのほうが多い。中心グレードは上級の「L」タイプが最も多い。納期は2022年1月末で、特別仕様車だとあと2か月程度先送りになる。11月の届出台数は車種別のトップセラーに返り咲いたが、大部分は従来の在庫一掃セール車で占められている。
【画像ギャラリー】本文未収録写真多数!! 一部改良のN-BOXに特別仕様車『N-BOX Custom STYLE + BLACK』登場!!(16枚)画像ギャラリー
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