急速充電器が500万円!? 電気代いくらかかる? ディーラーの知られざるEV充電懐事情

■電気代はいくら?設置すると補助金?ディーラーのEV充電器設置裏事情

現在のところディーラーにとっての死活問題は毎月の電気代よりもEVスタンドへの設備投資だ(moonrise@Adobe Stock)
現在のところディーラーにとっての死活問題は毎月の電気代よりもEVスタンドへの設備投資だ(moonrise@Adobe Stock)

 地域や季節ごとに電気代も変わってくるが、BEV1台をフル充電するのに必要な電気代は、およそ1,000円~1,500円程度だ。多くのメーカーは、この電気代を都度払いではなく、ユーザーにサブスク形式でサービス提供している。

 メーカーによってサービス内容が異なるが、一例としては、ユーザーが月額利用料として支払う金額は3,000円~4,000円程度、約10回分の充電を無料といった内容が多い。

 全ユーザーが規定回数の10回を使い切れば、メーカー・ディーラーが負担する電気代より月額利用料が少なくなり、メーカー・ディーラーが損する形となるが、この回数をフルに使うユーザーは少ないという。

 ディーラーに重くのしかかるのは、毎月の電気代よりもEVスタンドへの設備投資とその回収だ。EVスタンド設置には補助金があるが、EVスタンド本体の50%~70%程度の補助にとどまる。土地代や工事費用はディーラー側の負担だ。

 とあるディーラーで聞いた話では、自店舗でBEVの販売はゼロなのにも関わらず、メーカーの方針でEVスタンドの建設を余儀なくされたという。作るには作ったが、超高額なEVスタンドがあるだけで、ほとんど利用がなく、BEVの販売にもつながらない。

 今後BEVが増えれば使い道はあるだろうが、今は高価な箱があるだけだ。駐車場の場所が減り、使い方のレクチャーをするための人件費も増える。今のところ良いことは一つもないという。

 メーカーが新型BEVを販売することによって、ディーラーは非常に大きな投資を求められている。メーカーは販売側のリスクを考慮しながら、BEV販売戦略を組み立てていく必要があるだろう。

 まだまだ販売現場では厄介者になっているBEVやPHEVを当たり前にしていき、EVスタンドの需要を高めなければ、EV化は進まない。まだ効果は薄いかもしれないが、しっかりとインフラを備え、EV化に備えることが、今からできる未来への戦略だ。

【画像ギャラリー】EV時代への準備はいいか!? 国内メーカーが続々と市場に送り出す電気自動車たち(13枚)画像ギャラリー

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