■スズキスイフトスポーツ(6MT)/970kg
6MTモデルはなんと970kg! ロードスターより軽い! スゲエッ!
この軽さはスズキ独自の軽量化技術に負うところが大きい。なにしろスイフトの素のグレード(1.2リッターNA)は、これより100kgほども軽いのだ。あまりにも軽すぎるせいか、ボディのペナペナ感や剛性不足も微妙に感じるけれど。
一方のスイスポは、1.4リッターターボの140馬力という適度なハイパワーを持つ。同時にボディの補強もしっかり行われ、車両重量1トン弱で、素晴らしく楽しい走りを実現した。
FFなので、ロードスターのようなFRならではの後ろから押される感はないものの、動力性能、操縦性ともにロードスターに引けをとらないし、実用トルクに関しては、ダウンサイジングターボのスイスポが圧倒する。そこらをフツーに走っていても、「ググッ」と来るターボのトルクを楽しめるのが、スイスポの醍醐味のひとつだ。
5ドアハッチバックボディは、実用性も十二分。しかも価格は201万7400円から! ロードスターが最低262万円(S、6MT)なのと比べると、この安さには本当に涙が出る。
■トヨタヤリス1.5ガソリン(6MT)/990kg
「X」が980kg、「G」が990kgと1トンを切っている。こっちもスイスポに負けず劣らず、走りの楽しいライトウェイトなスポーツホットハッチだ。
まず、エンジンフィールがいい。新開発の3気筒エンジンは、以前の4気筒よりもはるかにスムーズに気持ちよく吹け上がる。そこにはNAならではの、回転の上昇に伴う自然なパワーの高まりがある。6MTのフィールは、GRヤリスRZの超ガッチリ感にはかなわないが、普段使いするのにちょうどいい節度感を持っている。
この軽いボディにスポーティな足回り、そして120馬力の控え目なパワーと、作りこまれた6MTの組み合わせは、駆動方式やデザインを無視すれば、ロードスターをもしのぐ「青い鳥」と言えるのではないだろうか!
そして価格。「X」の6MTなら、なんとたったの154万円から! ロードスターの半額くらいで買えるんだから、またしても涙が止まらない。
■ホンダN-ONE RS(6MT)/840kg
価格は199万9800円と、軽自動車ながらスイスポに迫ってしまうが、「軽」であることのメリットは、維持費の面で大きいので、ハンデにはならないだろう。
スペックを見ると、車両重量は840kg。軽としてはそれほど軽いわけではないが、絶対的にはメッチャ軽い。さすが軽。そこに自主規制枠いっぱいの64馬力(660㏄ターボ)を搭載して、前輪を駆動する。もちろんトランスミッションは6MTがある!
実際乗ると、ボディのしっかり感はスイスポやヤリス1.5をも上回る感覚で、シャシーが完全に勝ってしまっている。つまり、「もっとパワーが欲しい!」と思ってしまう。欲が深くてスイマセン。
スイスポやヤリス1.5ではそういう感覚は芽生えないのだが、これはやっぱり、840kgのボディに64馬力の組み合わせの宿命だろう。2022年3月で生産が終了となるS660も、車両重量はほぼ同じで、同様に「モアパワーを!」と思ってしまいました。いくら軽さが偉大でも、できればパワーウェイトレシオは10kg/psくらいあるとうれしいな、ということか。
生産が終了した先代アルトワークスだと、こういう物足りなさは感じなかった。それは、アルトの車両重量が、たったの670kg(!)しかなかったからという点に加えて、ボディ剛性が適度にペナペナしていて、スピード感も高かったからではないかと推測しておりまする。
そう考えると、アルトワークス、惜しい。中古で買ってください。新型にワークスがあるかないかに関しては、「今現在は考えておりません」とスズキ首脳は言っておりますが、登場を期待します。
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