■割安なぶんウィークポイントも
以上のようにヤリスクロスは、デザインから運転のしやすさ、ヤリスと比べた時の買い得度など、いろいろなメリットの相乗効果によって好調に売られている。
ただし完全無欠なクルマではないので、欠点にも触れておきたい。実用面では、前述の通り後席が狭い。4名乗車は可能だが、カローラクロスやアクアに比べて後席は窮屈に感じる。乗り降りする時も、後席が狭いと足の取りまわしが悪化する。
Zは運転席の電動調節機能を装着したが、反応が遅く違和感が伴う。コスト低減のために、シートの各部を調節するモーターを1個に抑え、クラッチを使って調節箇所を切り替えるから反応に遅れが生じた。
荷室はヤリスよりは広いが、リアゲートを寝かせたから、背の高い荷物は積みにくい。この点ではカローラクロスが便利だ。
動力性能は、ノーマルエンジン、ハイブリッドともに排気量が1.5Lだから不満はないが、直列3気筒とあって登坂路では粗い独特のノイズが聞こえる。特にノーマルエンジンは、モーター駆動を併用するハイブリッドに比べてノイズが大きい。乗り心地は、時速40km以下では路上の細かなデコボコを伝えやすい。
このほかノーマルエンジン、ハイブリッドともにXを選ぶと、後席の背もたれを4:2:4に3分割して倒す機能が備わらない。
中央だけを倒して、長い荷物を積むことはできない。Xには後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニターのオプション設定もなく、選びにくいグレードになっている。
なお販売店によると「ヤリスクロスの納期は約半年だから、2022年1月に注文を入れると、納車されるのは6月以降」だという。SUVは売れ筋のカテゴリーとあって納期は全般的に遅延傾向にあり、人気車のヤリスクロスはその代表だ。商談は早めに開始したい。
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