世界1位のトヨタでも失敗はある!? 忘れたい? 忘れ去られたトヨタ車5選

世界1位のトヨタでも失敗はある!? 忘れたい? 忘れ去られたトヨタ車5選

 トヨタが絶好調である。2021年の世界販売台数は前年比10.1%増の1049万5548台と、2年連続で世界のNO.1。そして国内でも、2021年の乗用車販売台数トップ10のうち7車種をトヨタ車が占めた。まさに「向かうところ敵なし」といった状態のトヨタではある。

 だがそんな無敵トヨタにも「お願いだから、あの件については忘れてください!」と思っているかもしれないモデルは、いくつか存在する。

 だがなかなか完全に忘れることはできないため、野暮な話ではあるのだが、それらについての記憶を引っ張り出してみることにしよう。

文/伊達軍曹
写真/TOYOTA

【画像ギャラリー】できればこの5台のことは忘れてほしい…? トヨタでも伸び悩んだクルマたちをギャラリーでチェック!(18枚)画像ギャラリー

■トヨタ ブレビス(2001年6月~2007年6月)

 トヨタ車なのにあんまり売れなかったモデル。それは、現社長である豊田章男氏がトヨタ自動車株式会社の代表取締役社長に就任する前の時代に連発されていた。

 具体的には2000年頃から、豊田章男氏が社長に就任した2009年の前年、つまり2008年にかけてである。

 まず代表的な一台として挙げたいのは「トヨタブレビス」だ。

「小さな高級車」の意味合いから「鎌倉ベンツ」と呼ばれたトヨタ ブレビス。クルマの出来はなかなか良かったものの、「小さいのに安くはないクルマ」と理解されず、2007年6月に販売終了

「小さな高級車」と謳われ、一部では「鎌倉ベンツ」とも呼ばれたトヨタプログレの姉妹車として、プログレにやや遅れて2001年6月に登場。

 5ナンバーサイズだったプログレと比べて全長が+40mm、全幅が20mm、それぞれ拡大されて3ナンバー枠になったブレビスだったが、それでも「比較的コンパクトなセダン=小さな高級車」ではあった。駆動方式はいわゆるFRである。

 エクステリアデザインは当時のトヨタセルシオをやや彷彿とさせるテイストで、搭載エンジンはプログレと同じ3Lまたは2.5Lの直6自然吸気。

 装備類もプレグレ同様、なかなかゴージャスなものが標準装備されていた。

 しかし「まったく売れない」というほどではなかったものの、決して「今、売れてます!」というシールが貼られるような販売台数ではなかったせいか、2007年6月にあえなく販売終了となった。

 ブレビスの場合は「クルマとしての出来が悪かった」ということはプログレ同様に特になく、なかなか良いクルマではあった。

 だがデザインというか佇まいがあまりにも地味であったことと、当時の日本では「小さな高級車=小さいのに安くはないクルマ」への理解がまだぜんぜん進んでいなかった点が、ブレビスを販売終了に追いやったといえるだろう。

 現在、トヨタブレビスの中古車は20万~80万円あたりのゾーンで17台ほどが流通している。ちなみに「プログレ」の相場と流通量も、ブレビスとおおむね同程度である。

■トヨタ ヴォルツ(2002年8月~2004年3月)

 クルマそのものとしては悪くなかったブレビスに対し、「車そのものが微妙だった」としか言いようがないのが、2002年8月に登場した「トヨタヴォルツ」だ。

GMと共同で企画を行ったヴォルツ。米国で企画されたクルマだけあり、前席と後席居住空間および荷室の広さは十分。しかしデザインはイマイチで2004年3月に販売終了

 ヴォルツは、トヨタ(シボレー)キャバリエの国内販売不振で学んだトヨタが、企画段階からGMと手を組み、トヨタ主導により開発したクロスオーバーSUV。

 車両の企画はトヨタとGMが共同で行い、設計と評価はトヨタが担当。

 生産は、GMとの合弁会社であるカリフォルニアの「NUMMI(New United Motor Manufacturing, Inc.)」で行われた。

 搭載エンジンは最高出力132psの1.8L直4DOHCが基本で、そのほかに同190psのハイチューン版1.8L直4も用意。トランスミッションは4速ATのほか、190psモデルは6MTを選ぶこともできた。

 走りは「可もなく不可もなく」といったニュアンスだったが、さすがは米国で企画されたクルマだけあって、前席と後席居住空間および荷室の広さは十分。クロスオーバーSUVならではの高めの最低地上高ゆえに、使いやすいクルマではあった。

 だが……デザインがまったくの謎だった。

 フロントマスクはエグい感じのデザインで、ルーフの角度とルーフレールの角度がちぐはぐ。

 さらにそのルーフレールは耐荷重がきわめて軽かったため、ほとんど「格好だけ」というシロモノだったのだ。

 さらに言えば、後席は前述のとおりなかなか広いのだが、「広いくせになぜか閉塞感は強い」という謎のパッケージングでもあった。章男社長率いる現在の無敵トヨタであれば、決して国内デビューすることはなかった一台だろう。

 2004年3月に販売終了するまで9012台が販売されたが、現在の中古車相場は50万~70万円、全国で5台ほどが細々と流通している。

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