世界1位のトヨタでも失敗はある!? 忘れたい? 忘れ去られたトヨタ車5選

■トヨタ マークXジオ(2007年9月~2013年12月)

 そんなブレイドに1年遅れて2007年9月に登場したのが「トヨタマークXジオ」だ。

 ただ、「マークX」という冠は付いているものの、車台はFFのハッチバックであるオーリスやブレイドなどと共用だったが。

オデッセイの対抗馬として登場したトヨタマークXジオ。「大人のための上質な空間」と広い荷室を確保したものの、デザインの悪さと時代が合わず2013年12月に販売終了
オデッセイの対抗馬として登場したトヨタマークXジオ。「大人のための上質な空間」と広い荷室を確保したものの、デザインの悪さと時代が合わず2013年12月に販売終了

「積載性に優れるワゴン型ボディ」に「ゆったり座れる独立式シート4脚」を置き、そして荷室に「いざというときのための3列目シート」をしのばせたクルマというのが、マークXジオのあらまし。

 ボディサイズは全長4695mm×全幅1785mm×全高1550mmで、ライバルと注目されたホンダの低床ミニバン「オデッセイ」より少しだけ小さいというサイズ感だった。

 2列目にベンチシートを採用した5座のモデルもあったが、基本的には座席数を4つに絞ることで「大人のための上質な空間」を実現させ、なおかつステーションワゴン並みの広い荷室スペースを確保したというのが当時のトヨタの言い分であり、そのコンセプトは決して悪くはなかったと思うものの……いかんせんデザインがダメすぎた。

 もちろん「底床ミニバンのブームが終わり、背が高いミニバンまたはSUVが好まれる時代に変わってしまった」という、マークXジオにとっての不運があったことは確かだ。

 だが仮にそうでなかったとしても、この「おまんじゅう」のようなフォルムは、世の大勢に受け入れられなかっただろう。

 2022年2月上旬現在、中古車の流通量はかなり豊富で、相場は15万~130万円といったところ。

 走行距離少なめの物件であっても車両40万円以下で見つけることができるので、ご興味のある人はどうぞ。

■トヨタ カレン(1994年1月~1999年8月)

 以上の4車種よりも少々古い時代の話にはなるが、T200型セリカの兄弟車として誕生した「トヨタカレン」も、「箸にも棒にもかからないほど売れなかったトヨタ車」として記憶に残る一台だ。

 カレンは、その昔トヨタが持っていた5つの販売チャネルのなかではもっとも歴史が浅く、販売台数でも苦戦していた「ビスタ店」のために作られた、6代目セリカをベースとする2ドアクーペで1994年1月に発売された。

T200型セリカの兄弟車として誕生したトヨタカレン。程よいスポーツ性能としてウケはよかったが、デビューした1994年はバブル経済の崩壊が顕在化し、売れず1999年8月販売終了
T200型セリカの兄弟車として誕生したトヨタカレン。程よいスポーツ性能としてウケはよかったが、デビューした1994年はバブル経済の崩壊が顕在化し、売れず1999年8月販売終了

 メカニズムはほぼ同時期にデビューした6代目セリカと同一で、エンジンはハイメカツインカムの3S-FEと、スポーツツインカムである3S-GEの両2L、直4、そして廉価グレード「TS」には1.8L直4の4S-FEが搭載された。

 ハイメカツインカム搭載のXSには4WSを採用した「XSツーリングセレクション」というグレードもあり、スポーツツインカムを搭載したZSにはスーパーストラットサスペンションを採用した「ZSスポーツセレクション」というグレードも用意。

 トランスミッションは4速ATまたは5MTで、駆動方式はセリカGT-Fourのような4WDはなく、全車FFであった。

 トヨタカレンは、ここまで紹介した4車と違い、なかなか魅力的なFFクーペではあった。決してゴリゴリのスポーツモデルではないが、「そこが逆にイイ!」というニュアンスの軽快でスポーティな一台ではあったのだ。

 やや地味かもしれないが、奇をてらった部分のないフロントマスクもなかなかのイケメン。

 いやイケメンではないのかもしれないが、「シュッとした感じの好青年」とは評せる。

 しかしカレンはデビューしたタイミングが悪かった。カレンが登場した1994年はバブル経済の崩壊がいよいよ顕在化し、「デートカー」なる贅沢なモノの需要が一気に縮小していった頃。売れるはずがなかったのだ。

 同時期、本家であるセリカのほうはGT-Fourの威光により、なんとか威厳と販売台数を保ち、1999年9月にT230型へのフルモデルチェンジ(延命)を行うことができた。

 しかし「GT-Four的なもの」を持たなかったカレンは、ただただ時代の移り変わりとともに消えていくほかなかったのだ。南無……。

 ちなみに現在の中古車相場は60万~100万円だが、全国でたったの2台しか流通していないため、あまり参考にはならない数字かもしれない。

【画像ギャラリー】できればこの5台のことは忘れてほしい…? トヨタでも伸び悩んだクルマたちをギャラリーでチェック!(18枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!