タイヤ潰れによる異常振動や、融雪剤による錆の進行も
また、ずっと一か所に同じ負荷をかけられた状態となるタイヤには「つぶれ癖」ができてしまいます。わずかなつぶれ癖であれば、クルマを走らせれば元に戻りますが、目視でへこみが分かるほど癖がついてしまうと元に戻らず、「円」ではなくなってしまうため、走行中にバタバタと振動が発生してしまうことがあります。
できれば一週間に一度はクルマを動かして、エンジンオイルをいきわたらせ、タイヤの癖をとり、バッテリーに充電をさせておきたいところです。
ほかにも、潮風があたる場所で放置したり、雪道を走って融雪剤が付着したまま放置すると、ボディが錆びてしまう可能性もあります。
半年動かさないと、ガソリンが劣化
そして半年にもなると、上記に加えて、「ガソリンの劣化」が心配です。ガソリンタンクの中は密閉されてはいますが、タンク容量に対してガソリンが少なければ、その隙間に空気があるわけで、その空気が多ければ多いほど、劣化が早まってしまいます。
ガソリンが満タンで、タンク内の空気が少ない状態で放置されていたとしても、半年経過したガソリンは使わずに入れ替えることをお勧めします。ただし、ガソリンは危険物ですので、自分では行わず、専門家に任せてください。
そのほかにも、オイルシールなどのゴム製品の硬化や固着も考えられます。タイヤもそうですが、ゴム製品は、伸び縮みをすることで柔軟性を保つことができ、放置されると劣化は早まってしまいます。
さらに一年以上放置されていたクルマでは、上記に加えてブレーキやボディ関連の部品が錆びついていることが考えられます。ブレーキのローター表面の錆だけならば、少し走行すれば元に戻せますが、摩擦材がブレーキローターと固着してしまったり、ボディに錆が浮いてしまいクルマへ乗り込んだ瞬間に、「ミシミシ」と、亀裂が発生してしまうようだと、もうどうにもなりません。
長期間クルマを使用しない場合は、事前に対策を
海外出張や長期旅行、長期入院などで、どうしても長い期間、クルマを使うことができない場合は、できるだけ屋根付きの駐車場を確保し、ガラスに日よけなどをつけた上で、ガソリン満タン、バッテリーのマイナス端子を外す、タイヤの空気圧を上げる、エンジンオイルを保持性の高いオイルに替える、などの措置をしておくと、ダメージが少なくて済みます。
特に、潮風にさらされるような海沿いの地域や、雪が降りやすい地域で屋外駐車をしていた場合は、クルマのボディ表面が一見キレイに見えても、隙間に付着した塩分によって、見えないところで錆が浸食している可能性もあります。普段から月に1度は洗車をし、長期間クルマを放置する前にも、洗車をしておくと安心です。
◆ ◆ ◆
クルマの状態にもよりますが、1ヶ月程度であれば、すぐにトラブルに直結するほどのダメージには至らないと思われます。しかしながら「リハビリ」は必要です。走り出しは速度を抑え、ブレーキの効き具合や、エンジンに異常振動がないかなど、クルマの調子を見ながらの走行をお薦めします。
ただ、本文中で触れたように、クルマはやはり毎日乗ってあげることが理想的です。毎日乗ることができなくても、3日に一度、できれば1週間に一度は、30分以上クルマを走らせて、状態をチェックするようにしてください。
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