ドライバー異変探知システム、マツダと他メーカー間の違いはいったい何?

■一般道で対応できるのはマツダのCO-PILOTだけ

 ところで、レヴォーグ、スカイラインハイブリッド、ミライ、レクサスLS、レジェンドと紹介してきたが、これらはすべて高速道路上でのみ作動し、なおかつアイサイトXやアドバンストドライブなどの高機能ADAS(運転支援機構)を作動させての走行中であることが前提だ。

 つまり、高精度な地図情報とGPSを使用した正確な位置情報を取得している必要があるのだ。そしてこの高精度な地図情報は現在高速道路にしかフォローしておらず、一般道(幹線道路のみ)の高精度地図情報が整うのは2025年頃と予想されている。

 これに対して今年導入予定のCO-PILOT 1.0は高速道路に限定せず、一般道でも行う。一般道でも行うのは今のところCO-PILOT 1.0だけ。他社はすべて高速道路に限定される。

写真はCO-PILOT 2.0を搭載した試験車両で、一般道走行中に異常事態を検知して減速している車内の様子
写真はCO-PILOT 2.0を搭載した試験車両で、一般道走行中に異常事態を検知して減速している車内の様子

 冒頭で説明したが、ドライバーが運転不能に陥ったことによる事故のほとんどが60km/以下で発生している。つまり、一般道が多いのだ。高精度な地図情報がない一般道でも自動停止を行おうとしているのだからある意味野心的であり、真剣にこのような事故を防ぎたいという切実さが見える。

 そこにはやはり運転を「安心して」楽しんでもらいたいというマツダの思いがあり、ワインディングなどの一般道でも何かの時に対応できる制御が必要と判断したからこの時期に他社に先駆けて導入できるのだろう。

■な、なんと!! ドライバーの目の動きから脳疾患を検出可能!?

 さらにCO-PILOT 2.0を2025年に導入予定しているのだが、こちらにもマツダならではのユニークな機能を開発中だ。それはドライバーの眼の動きをモニタリングして居眠りだけでなく、脳疾患による異常予兆を検知しようとしているのだ。これらの異常とは低血糖、心疾患、脳血管疾患、てんかんを指す。

視覚刺激の強い場所を計算して2次元マップとして表現した「サリエンシーマップ」。この情報と目線カメラの情報を組合せて脳疾患による異常予兆を検知しようとしている
視覚刺激の強い場所を計算して2次元マップとして表現した「サリエンシーマップ」。この情報と目線カメラの情報を組合せて脳疾患による異常予兆を検知しようとしている

 フラつきなどの運転操作異常。倒れ込みなどの頭部挙動異常。そして視線の挙動異常。これらの予兆をモニタリングして、速い段階でドライバーに代わっての運転対応を行い事故を未然に防ごうとしている。

 踏み間違いによる事故だけでなく、運転不能に陥るリスクをどうマネージメントするのか。安全な交通社会を維持するためには必要不可欠な技術である。

【画像ギャラリー】「CO-PILOT CONCEPT」ドライバー異常時の一連の流れと、カッコイイ! マツダ3の試験車両を写真でチェック!!(22枚)画像ギャラリー

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