ヤリスクロスが激戦コンパクトSUVで王者となった実力とそれでも気になる短所

ヤリスクロスが激戦コンパクトSUVで王者となった実力とそれでも気になる短所

 2020年、2021年と、2年連続の登録車販売台数トップとなったヤリス。なかでも、クロスオーバーSUVのヤリスクロスの評価が高く、低燃費と高コスパで他社車を圧倒している。

 ヤリスクロスの天下はいつまで続くのか、ヤリスクロスの長所と短所を確認し、王者の実力と人気の源について、分析しよう。

文:吉川賢一
写真:TOYOTA、HONDA、NISSAN

【画像ギャラリー】激戦コンパクトSUV キックス・ヴェゼルと、ヤリスクロスの全グレードのインテリアを徹底比較!!(32枚)画像ギャラリー

クルマを道具として見た場合には、現時点の最適解

 ヤリスクロス最大の長所は、やはり「コスパのよさ」だろう。ガソリン仕様が車両価格税込189.6万円(X/2WD)、ハイブリッド仕様でも228.4万円(ハイブリッドX/2WD)と、キックス(X/276万円~)やヴェゼル(e:HEV_X/265万円)といった他メーカーのSUVよりも、1ランク以上も価格が安い。

 ヤリスクロスは、ディスプレイオーディオが標準装備となる。スマホを接続すれば、ナビゲーションとして活用できることから、高価な純正ナビゲーションを買う必要もない。レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシストといった、便利な先進支援機能も標準装備。キックスで同様の装備を用意しようとすると、300万円を超えてくることを考えると、ヤリスクロスのコスパのよさは圧倒的だ。

 低燃費、という点でもヤリスクロスは圧倒的。ハイブリッドはクラス世界トップレベルの低燃費30.8 ㎞/L(X/2WD、WLTCモード)、ガソリン車であっても、19.8km/L(G/2WD、同)と悪くはなく、e-POWERのキックスの21.6km/L(X、同)と変わらないレベル(e-POWERは、第2世代e-POWERが搭載されるノートやノートオーテッククロスオーバー(X/2WD)ならば、28.4km/Lとヤリスクロスに近くなる)。ヴェゼルもe:HEV(X/FF)が25.0km/L、ガソリン車(G/FF)は17.0km/Lと、ヤリスクロスのレベルには及んでいない。

 ヤリスをベースとしたコンパクトで軽い車体に、効率のいいパワートレイン、軽快な走りと極めて優れた低燃費、顧客需要のあるガソリンモデルもきっちり用意し、ガソリンとハイブリッドそれぞれにFFと4WDを設定して日本の降雪地域からの需要にもしっかりと応えるなど、日本国内で使うには、理想的なモデルに仕上がっている。

 欧州車チックなフロントフェイスやリアスタイルもなかなかカッコよい。「コスパ」と「燃費」の2つを極めたヤリスクロスは、クルマを道具として見た場合には、現時点の最適解になっているのだろう。

欧州車チックなフロントフェイスで、コンパクトで軽い車体。効率のいいパワートレインで、軽快な走りと極低燃費。それでいて圧倒的な低価格。これで売れないわけがない
欧州車チックなフロントフェイスで、コンパクトで軽い車体。効率のいいパワートレインで、軽快な走りと極低燃費。それでいて圧倒的な低価格。これで売れないわけがない

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