商用車の王者、ハイエースに昨年改良を受けたキャラバンはどう立ち向かうのか!?

■理由1.中古車買取価格の高さ

 最初がリセールバリュー。同じ価格で買うのなら、将来手放す時のリセールバリューは高くあって欲しい。300万円で買ったとしよう。5年後に180万円で手放すのと140万円で手放すのは40万円も違う。実質的な「5年間分のクルマの価格」を考えたら120万円と160万円になる。リセールバリュー、今までも今後もハイエース有利が続くこと間違いなし。なぜか?

 耐久性が違うためだ。ハイエースの寿命は、ハイエースの開発チームに聞いても「わからないんです」という。ハイエース、日本で10万~20万km走った後、海外に輸出される。

ちなみにハイエースも2020年4月マイナーチェンジ以降のモデルは、トヨタセーフティセンスやデジタルインナーミラーが標準装着されている
ちなみにハイエースも2020年4月マイナーチェンジ以降のモデルは、トヨタセーフティセンスやデジタルインナーミラーが標準装着されている

 例えば、アフリカなどに渡ったハイエースはミニバスとして使われます。毎日300kmくらい走ることなど普通。1年で10万km。アフリカじゃ17年前の先代100系ハイエースまで走っている。いったい何万km走ってるんだ?

 どうやら100万kmは普通らしい。車体の基本骨格が強固。使っている部品もハブベアリングなどキャラバンより、ふた回りくらい大きく長持ちするそうな。したがって日本で10万km走ったハイエースにもオークションで高い値が付く。

 キャラバンは海外であまり人気ないため、10万km走った車両の買い取り相場を見ると40万円くらい違う。リセールバリューを考えたらハイエースです。

■理由2.アフターパーツの潤沢さ

 そして改造パーツ。ハイエースの場合、さまざまなパーツが手頃な価格で出回っている。なかでも乗り心地を改善させられるサスペンション系はネットで検索すると山ほど出てきます。私たちがラリーで開発した「乗るとびっくり!」のサスペンションキットも入手可能。

TRDからも2018年に「乗り心地を改善する」サスペンションキットが発売された。オートサロンのようなイベントでも、さまざまな企業が改修した車両に出会うことができる
TRDからも2018年に「乗り心地を改善する」サスペンションキットが発売された。オートサロンのようなイベントでも、さまざまな企業が改修した車両に出会うことができる

 エクステリアやインテリア系のパーツだって多数! 好みのハイエースを作れる。趣味のクルマとして楽しんでいる人は多い。

 一方、キャラバンのパーツを探すと、案外少ない。キャラバンのユーザーって多くが法人。都市部で一番見かけるキャラバン、高齢者施設の送迎車だ。ハイエースにないナロー&ロングボディがあり、狭い道の多い我が国で重宝されている。

基本的に法人ユーザーだとノーマルのまま使う。ドレスアップした高齢者の送迎車、見たことないです(笑)。パーツあっても少なく&高い。

■理由3.ボディバリエーションの違い?

 ボディバリエーションの違いも影響しているかも知れません。大きく分ければどちらも3種別。キャラバンは、1)標準、2)ハイエースには存在しないナローのロング、3)ワイドのスーパーロングの3タイプ。ハイエースだと、1)標準、2)キャラバンには存在しないワイドのロング、3)ワイドのスーパーロングというラインナップ。ハイエースのワイド&ロングボディ、海外で人気。

キャラバンには存在しないワイドのロングが海外で人気があり、それが効いている?
キャラバンには存在しないワイドのロングが海外で人気があり、それが効いている?

 そんなキャラバンながら間もなくディーゼルエンジン搭載車もマイナーチェンジしてくる予定。大幅な性能向上を考えていると聞く。もしディーゼルの1BOXカーの購入を検討しているのなら、少し待ってみるのもいいかもしれません。ADAS性能で考えるとキャラバン優勢ですから。どうやら働くクルマというイメージでなく、ハイエースのようなレジャーユースも打ち出すらしい。


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