■約50分の乗車時間中に出演者との心温まる会話はあった?
出演者が乗車したのは約50分間。その間、色々話すのかなと思っていたのですが、そんなことは全然なく、至って普通でした。ちなみに法規(旅客自動車運送事業運輸規則 第53条)には、走行中に運転手にみだりに話しかけてはいけない規定があり、その規定を遵守しているのだと思いました。
正直、寂しさは感じましたが、ルールを守って番組作りをしている姿勢には好感が持てます。
ただ、まったく会話がなかった訳ではありません。信号で停車した時でした。
「運転手さん、このバスって〇〇方面のバスよりどれくらい速いですか?」(出演者)
番組の中心的な出演者が話しかけてきました。
「〇〇分こちらの方が速いですね、ただ、渋滞で〇〇分遅れています」(私)
「そうですか、先に着けますか?」(出演者)
「ご安心ください、遅れを含めてもこちらが先です」(私)
こんな会話はありましたが、世間話をすることはありませんでした。本当に路線バスを使ってガチのロケをしていて、プロ意識を垣間見ることがありました。
■自分の担当路線をTV画面で見て魅力を再認識
約50分の乗車を終えて、目的地に到着。
「ありがとうございました」(出演者)
出演者と撮影クルーのみなさんは私にお礼を伝えて降りて行きました。運賃は後払いのため、出演者1人1人が自分の分を払っていきました。
出演者たちは、すぐさま次のバスの時刻を確認。私は次の便の時間が迫っていたので通常運転に戻りました。本当にあっけない50分間。後日、楽しみにしていた放映がありました。しかし、残念ながら運転手の姿(私)は映りませんでした。
肖像権などへの配慮もあるのでしょう。ただ、私が乗せた皆さんが無事に目的地に到着していたので、しっかりお手伝いができ、良かったと思っています。次があるかどうかもわかりませんが、その時はもっと目立ってみたい気も……。
ともあれ、普段何気なく運転している路線も、テレビ画面を通して見てみると、意外と良い雰囲気の場所を走っていることに気づきました。普段は通勤、通学のお客様の利用がほとんどですが、趣味で乗るような方もいらっしゃいます。
目的地にお客様を届けるだけではなく、バス移動の楽しみもお手伝いしていると思うと、あらためて真摯にこの仕事に向き合わなければいけないなと思いました。今度は私が出演者や撮影クルーのみなさんにお礼の気持ちをお伝えしたいですね。
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