ウクライナ情勢の緊迫化などを原因にガソリン相場が高騰を続け、ついに政府予算で石油元売りに対して1Lあたり3.4円の補助金を交付することになった。
しかし、ガソリンの小売価格が即日安くなるわけではないという。ガソリン価格に一喜一憂しないカーライフを送る方法はあるのだろうか?
※本稿は2022年2月・執筆時のものです
文/国沢光宏、写真/AdobeStock(メイン写真=picture cells@AdobeStock)
初出/ベストカー2022年3月10日号「クルマの達人になる」より
■値上げのレスポンスに比べて値下げは……
ウクライナ状勢の緊迫化ということからガソリン相場が170円を超えそうなため、政府予算で1月27日から石油元売りに対し、1Lあたり3.4円の補助金を出すという。石油元売り各社は「しっかり対応させていただく!」というコメントを出した。
このニュースを聞き27日からガソリン価格下がるのかと思いきや、ほとんど変わらず。理由についてTVなど大手メディアは元売りに取材。
「在庫があるため価格に反映されるまで最大2週間程度かかる」と、忖度した代弁をしてます。
そもそもガソリン価格なんて消費者からすれば完全なるブラックボックスだったりする。
考えてほしい。日本の原油備蓄って240日程度。けれど値上げのレスポンスたるや素晴らしかたったりして。原油価格とリアルタイムでリンクしてるんじゃないかと思う。
安く買った原油備蓄あるのに、値上げする。100歩譲って、そういう考え方もあることだろう。ガソリンスタンドだって同じ。在庫しているガソリンを途中で値上げすることなど珍しくない。
なのに政府から補助金が出たら、それは次に入荷するガソリンから適用すると言っている。27日より元売りに対して補助金が出るのなら、27日以後に売れたガソリンすべて補助金の対象にすればいい。
リアルタイムで値上げするのなら、補助金交付による値下げもリアルタイムでやるべきだ。なぜやらないのか?
こらもう簡単。自動車ユーザーはガソリンがどんな高くても払ってくれるというバックボーンがあるため、気軽に値上げできるからです。実際、ガソリンなかったら困るし。
そもそもガソリン価格は同じ地域ですら10円ほどの幅がある。コストコなんか近隣スタンドより20円以上安いことだって珍しくない。
3.4円の補助金を出したって、スタンドは利幅少なく厳しい経営状況が続いているため、ガソリン仕入れ価格の下落を販売価格に反映するとは限らない。
ウクライナ危機の緊迫化など、もっともらしい理由を付け、その分の値上げと言えばチャラになってしまう。実効性のある効果的なガソリン高騰防止のための政策と思えない。
どうしたらいいか?
この際、ガソリン価格くらいで一喜一憂しないようなクルマ選びをすればいいと思う。12km/Lの燃費のクルマに乗っているなら、20km/Lのハイブリッドに乗り換えればいい。
20km/Lのハイブリッドに乗っているのなら、少し運転を丁寧にするだけで5%くらいの燃料を節約できることだろう。
40年前の1982年にガソリン価格は177円まで高騰した。それでもクルマに乗っていた。
毎日の足に使っているクルマを、ガソリン価格の変動なんか気にならない電気自動車に乗り換えるのもいい。電力料金も値上がりしているガソリンのエネルギーコストに比べたら圧倒的に安価。
夜間電力を使うと20km/L走るハイブリッドの3分の1の出費ですむ。
リーフの中古は先代後期型の30kWhでも安くなった。新車を値引き+巨額の補助金込みで買ってもいい。
2022年は魅力的な電気自動車出たら、買っちゃうのも手だと思います。
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