初代ホンダインテグラタイプRの衝撃!! その実力と功績を振り返って考える

■インテリアも超スパルタン

 サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーンの独立懸架のままだが、ハードに締め上げた。また、モノコックフレームやリアサスペンションの取り付け部なども補強している。

 だが、重量増加を嫌ってフロントガラスは板厚を減らし、リアワイパーも取り去っている。もちろん、エアコンやオーディオに加え、遮音材も取り去った。

 だが、走りに不可欠なパフォーマンスロッドやトルク感応式ヘリカルLSDは追加している。

 それだけではない。SRSエアバッグシステム非装着のタイプRはステアリングのギア比が一段とクイックな設定だ。ダイレクト感覚のハンドリングに心躍った。

初期型(96spec)のインテリア。レカロのSR-IIをベースにした専用セミバケットシートやモモ製のステアリング、チタン製のシフトノブなどドライビングプレジャーを高めるパーツが与えられていた
初期型(96spec)のインテリア。レカロのSR-IIをベースにした専用セミバケットシートやモモ製のステアリング、チタン製のシフトノブなどドライビングプレジャーを高めるパーツが与えられていた

 インテリアもスパルタンムードにあふれている。エアバッグ非装着車はφ350mmの本革巻きステアリングを採用し、シフトレバーはチタンの削り出しを装着した。

 ホールド性とサポート性に優れたレカロ製のバケットタイプのシートをフロントに採用し、3ドアクーペはブラックのほか、レッドのシートも選べる。

 後期モデルではイエローのボディカラーにイエローのシート表皮も用意された。

■改良により全方位進化!

 インテグラのタイプRは初めてのFF車でのタイプRだったが、レーシングカーのようにエキサイティングだ。エンジンはビンビン回るし、フットワークも軽やかだった。1998年1月、タイプRは「98スペックR」に進化している。

 タイヤを20mmワイドにし16インチにインチアップ、アルミホイールも5穴タイプになる。また、ブレーキローターを大径化して強化した。ボディも補強し、サスペンションのセッティングも見直しを図っている。

 もうひとつ、大きく変わったのがECUの制御だ。一部のユーザーに扱いにくいと言われたため、ギア比も変更した。これらの変更によってパワーバンドが広がり、マイルドな性格になっている。

 この変更は賛否両論だった。尖ったところが薄まったが、それでもトータルで考えると操る楽しさはいささかも損なわれていなかったのである。というより、円熟味を増し、意のままに操る魅力が広がっていた。

 そして1999年12月には最後の商品改良を行なっている。登場したのは「00スペックR」だ。この時にキーレスエントリーやオーディオ、電動格納式ドアミラーなどの快適装備を加えた「タイプR・X」が誕生した。

 インテグラのタイプRは走りの質が驚くほど高いことに加え、価格はリーズナブルだ。だから幅広い層のファンを惹きつけている。

 タイプRのなかで最も多くの販売台数を記録し、今も慕うファンが少なくないのがインテグラのタイプRだ。レーシングカーにかぎりなく近い性格の「タイプR」は、自然吸気エンジンの素晴らしさと楽しさを教えてくれた。また、FFスポーツの新しい扉も開いている。

 インテグラの初代タイプRが21世紀のスポーツモデルに与えた影響は大きいと言えるだろう。

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