競争での排除だけでなく、販売店を守る動きも重要だ
自動車販売店の数は増えすぎたと筆者は思う。トヨタ販売店だけで、全国には約6000もの店舗が存在する。6000店舗は、コンビニで考えるとローソンの約半分、ミニストップの約3倍の店舗数だ。
チャネル統合や販売車種の統一は、行き過ぎた自動車販売店の店舗網を縮小するために行われる。それはメーカー主導の引き締め策でもあるだろう。不採算店舗をなくし、継続経営できるお店だけを残そうとする、生き残りをかけた戦いのスタートだ。
「販売のトヨタ」と言わしめるほど、地場資本が運営する販社の力が、他メーカーに比べると大きかったのがトヨタだった。しかし、ここ数年でメーカーと販社の力関係は、大きくメーカーサイドに傾いている。
均衡していた力関係が崩れ、販社が弱者になって以降、販売店を起因にした不祥事(不正車検問題など)も相次いだ。苦労を続けるトヨタ販社を、メーカーはどう見ているのだろうか。
販売現場からのフィードバックを糧に、トヨタというメーカーが大きくなったことを考えると、こうした関係性が国内販売における最適解ではないように筆者は思う。
営利企業として、利益や効率化を追い求め、結果として販売チャネルの統合、そして販売車種の統一という動きが活発だ。利益が上がり効率化も果たされているが、自動車販売店の果たす役割は営利以外にもあるのではないだろうか。
メーカー主導の販売店改革は、そろそろ潮時である。ここからは、自由な競争と、地域社会との共存で、各販社が生きる道を探すほうが良い。トヨタの明るい未来は、全国各地の販売店と、手を取り合った先に見つかるはずだ。
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