■モデル末期、決算期末で値引きは40万円超え
やけにアルファード愛が強い営業マンだなあ、と思って聞いてみると、やはり実は彼もS Cパッケージに乗っているそうで、「本当によくできたパッケージなんですよ」と熱く語ってくれた。
その彼に、「カラーはホワイトパールクリスタルシャイン一択です、8割の方が選ばれる人気色なので、ここは外さないでください」「ムーンルーフはあるのとないのでリセールバリューが変わってきます」「せっかく内装が豪華なアルファードなので、一番毛足が長く、遮音性の高いフロアマットが絶対にいいです」などと力説されると、やっぱりそうだなあ、と納得させられてしまう。
そうやって選んだオプション・付属品価格が541万200円となった。値引き総額は43万円超えで支払い総額は525万円となった。
納期は今発注して早くても2022年6月末、7月以降の可能性もあります、とのことだった。
最近発売になったばかりのヴォクシーが、商談中の席から見える。比較のため、最上級グレードのS-Zのガソリン車の見積もりも作ってもらった。
パワースライドドア、パワーバックドア、などの快適利便パッケージやブラインドスポットモニターなどの安全装備、LEDライトなどアルファードの装備に近づけていくと、支払い総額が464万480円となった。ここで驚くのがアルファードと60万円しか違わないことだ。
かつての「マイルドヤンキー」という言葉を思い起こさせるヴォクシー。かつてのセールスマンマニュアルには「マイルドヤンキー」をターゲットとしてセールストークが書いてあったそうだ。
アルファードもマイルドヤンキーに人気のクルマだ。ちなみに今は都心で新車のアルファードを買うのは「マイルドヤンキー」ではなく50代が中心だそうだ。
やはりヴォクシーは見た目が若いうえ、サイズも小さく、シートはファブリックと合皮のコンビで、合皮部分のステッチも真っすぐでないなど、アルファードと質感で真っ向勝負するには分が悪い。アルファードが今でも売れる理由が改めて納得できた気がした。
■3年乗っても残価率85%!? アルファードのリセールバリューは驚くほど高い
筆者を担当してくれた営業マンは、3年前の夏にアルファードのS Cパッケージを買って、これまで約4万キロ走ったそうだ。当時の車両本体価格は446.5万円。そのクルマを初回の車検が来る今年の夏に売ると、なんと380万円で下取りしてもらえるそうだ。
なんと残価率は85%にもなる。もちろんオプションをつけると乗り出しでは580万円近かったそうだが、それでも残価率は65%を超える計算になる。
「去年の夏に下取り価格を聞いてみたら、360万円と言われました」とも教えてもらった。去年2年落ちで360万円だったクルマが、今は3年落ちになって下取り価格が反対に20万円も上がっているという。
3年で4万キロ走って200万円しか値段が下がらないなんて、とてつもないリセールバリューだ。
心の汚れた筆者は、「営業マンが言うことだから、話半分に聞いた方がいいのかも」、とつい思ってしまい、家に帰って念のため、ウェブで中古車価格を調べてみた。だがやはり3年落ちのS Cパッケージで走行3万キロのものが乗り出しで480万円などとなっているので、本当に値落ちしていない。
半導体不足やコロナによるサプライチェーンの混乱で、なかなか新車が手に入らないということもあるのだろうが、モデルサイクルの末期にあるにもかかわらず、アルファードの人気たるや恐るべし、と改めて思い知らされた。
もちろん今後1年程度でフルモデルチェンジされれば、現行型のアルファードの値段は下がるかもしれない。だが、新型アルファードが仮に発売になってもすぐに納車される可能性は高くないことを考えると、今アルファードを買ったとしても数年後のリセールバリューが極端に下がることは考えにくいだろう。
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