軽自動車でも200万円を超えるクルマが増えてきた今、新車は200万オーバーじゃないと「いいクルマは買えないのでは?」と思っている人が多いかもしれない。
しかし、100万円台の価格で魅力的なクルマはたくさんある!
自働車評論家 鈴木直也氏が、安くて走りも楽しめるモデルを厳選してご紹介!!!
※本稿は2022年2月のものです。本企画内の値引き額は遠藤徹氏調べ。値引きはグレード、地域などにより変動しますので目安としてください
文/鈴木直也、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年3月26日号
■スズキ スイフトRS(値引き目標26万円)
先進安全運転支援装備(ADAS)の標準化などによって、最近クルマの価格がじわじわ上昇している。
今回も「200万円未満で走りが楽しいといえば、まずはやっぱりスイスポでしょ?」と思ったのだが、調べてみるとギリで200万円を突破しているのを発見し愕然。”掘り出し物”はいよいよ残りわずかと言わざるを得ない。
気を取り直して「それじゃ、まずはスイフトRSから」と、ノミネート車種を選びはじめたのだが、やっぱりスイスポに比べるとパンチに欠けるのは否めない。
ただ、それでもスイフトRSのバランスのとれたハンドリングは、NA1.2Lの91psでもファン・トゥ・ドライブ。5MTを選べばビギナーからベテランまでけっこう楽しめる。カーボンニュートラル時代、この辺がお買い得スポーツのベンチマークとなってくるのかもしれません。
同じ路線ながら、より硬派のスポーツドライバーにオススメなのがマツダ2のモータースポーツベース仕様”15MB”だ。
モータースポーツベースとはいっても、装備が簡略化されてるだけで実用上なんら問題なし。116psのNA1.5Lと6MTの組み合わせだから、動力性能は充分以上。走りにこだわるマツダならではの、手応え確かなハンドリングが味わえる。165万円はバーゲンと言っていい。
■日産 マーチNISMO S(値引き目標22万円)
もっとチューンドカーっぽい雰囲気とか、スポーティにドレスアップしたエクステリアをお望みなら、マーチNISMO Sがお買い得だ。
NISMO一族に共通の赤メタで差し色を入れた外観もオシャレだし、アルカンタラ巻きのステアリングや専用バケットシートなど、インテリアもスポーティ。そしてなにより、コイツの1.5Lエンジン(116ps)と5MTはNISMO専用で、ここまでバッチリ決めて187万6600円というのは素晴らしい。
シャシーをはじめ基本コンポーネンツが古いから、走りはちょっと荒削りな部分があるが、こういうホットハッチにはそれもまたヨシ。絶版にならないうちに、欲しい人は早く買っておいたほうがいい。
以上3台はオンロード主体に走りが楽しいスポーツハッチだが、オフロード好きなら答えはジムニー一択。MTなら180万円以下で世界最小の本格クロカン4WDが手に入る。
ジムニーの楽しさは、もちろんオフロード走行時のタフな走破性にあるのだが、普通に乗ってるだけで非日常空間にワープできるのも魅力。走り慣れたいつもの道でも、ジムニーに乗るとちょっと別世界。こういう感覚はほかのクルマではちょっと味わえない。
もう一台、オープンエアモータリングという非日常空間を気軽に体験できるコペンも、200万円以下では唯一の存在として外せない。しかも、贅沢なことにこの価格で電動メタルトップ。オープン好きなら、これまた一択といっていい。
ほかに、軽のカテゴリーからは、N-ONE RSの凝った作り込みはマニアを唸らせる本格派として、ぜひピックアップしたい。64psのターボを6MTで操る面白さのみならず、骨格やシャシーの骨太な作り込みには「軽でもやればここまでできるんだ!」という新鮮な驚きがある。
また、これとは対照的に、シンプル・低コストに徹したことで、素材としての魅力を感じさせるアルトも、乗り方次第ではスポーティ。
エントリー価格100万円を切るアルトなら、残った資金で自分好みのクルマに仕上げるD・I・Yが楽しめるのもいいね。
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