日本では生産終了だけど……人気のメキシコでは日産マーチが大胆チェンジ!!

■電動車の需要は少なし! メキシコのマーチがビッグMCしたワケ

 では、話をマーチに戻そう。

 マーチが登場したのは今から40年前の1982年だ。グローバルで見ると、Bセグメントに属する。日本では高度経済成長期の庶民のクルマとして、カローラ vs サニーというイメージが強かったが、マーチの登場によって日産のコンパクトカーのイメージは大きく変わったといえるだろう。

 まあ、ターボエンジン搭載車や、レース仕様車など、広い世代が比較的コストをかけずにスポーツ走行やレース参戦できるクルマとして根強い人気を博してきた。

 だが、2010年代になると、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリングなど新事業領域・電動化)による、100年に一度の自動車産業大変革期に突入。また、日本市場では2000年代以降に、主力セグメントがミニバンと軽自動車となっていく。

 そうしたなか、日産はコンパクトカー戦略として、ノートにe-Powerを搭載し、さらに最新モデルでは車体やデザインなどを刷新したことは記憶に新しい。その上で、マーチは時代変化の中で、日本では姿を消すことになった。

メキシコでのマーチの人気は根強く、市場全体の電動車への移行も進んではいない。モデルチェンジへの需要は充分にある
メキシコでのマーチの人気は根強く、市場全体の電動車への移行も進んではいない。モデルチェンジへの需要は充分にある

 一方、メキシコでは、「TSURU」の事例もあるように、マーチの人気は根強くあり、またe-Powerやリーフなど電動化についてはメキシコでの需要はまだ多くない。そのため、日産としてはメキシコでマーチのビックマイナーチェンジを施すという決断をしたといえるだろう。

 最も大きな特徴は、フロントマスクだ。マーチといえば、愛らしさ、やさしさを象徴する丸を基調としたヘッドライトを継承してきたが、それをVモーションのキリリとした面構えに刷新したのだ。

 インテリアについても、基本的な操作類の造形は維持しながら、コネクテッド技術を活用するためのモニターなど、若い世代に向けた先進技術のアピールを強めた印象がある。

 こうしたビックマイナーチェンジを受けたメキシコのマーチは、TSURUのように、これから少なくとも5年、いや10年近くに渡ってメキシコで新車として生き続けていくことだろう。

 なお、マーチの欧州市場車であるマイクラについて、ルノー・日産・三菱アライアンスはBセグメントでのBEV(電気自動車)専用モデルとして量産に向けた開発を行っていることを明らかにしている。

 日本人にとって長きに渡り愛されてきたマーチ。世界の国や地域で、新たなる時代に向けたさまざまな進化の時期を迎えている。

【画像ギャラリー】強調したVモーショングリル&切れ長ライトのシャープなマーチはメヒコの街にマッチする!!(10枚)画像ギャラリー

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