ホンダ シャトルが生産終了! もう5ナンバーワゴンの時代は終わりなのか

コンパクトミニバンの台頭が最大の要因! 価格競争力が強すぎた

 コンパクトステーションワゴンが低迷した大きな原因は、2000年代初めに登場したストリームやウィッシュといった5ナンバーサイズの乗用車型ミニバンの台頭だ。5ナンバーサイズの乗用車型ミニバンはコンパクトステーションワゴンよりは大きいもの、不便があるほどではなく、3列目シートも十分に使用可能。そして普段は3列目シートを収納すればラゲッジスペースもコンパクトステーションワゴンより広いというメリットが存在した。

5ナンバーサイズ、そしてヒンジドアを持つミニバンが2000年代前半に登場。ステーションワゴンに取って代わるモデルとして大ヒットしたのだ
5ナンバーサイズ、そしてヒンジドアを持つミニバンが2000年代前半に登場。ステーションワゴンに取って代わるモデルとして大ヒットしたのだ

 それでいて2003年の同じ1.8リッターエンジンを搭載するカローラフィールダーとウィッシュの価格は、カローラフィールダーが174万8000円、対するウィッシュは168万8000円であった。なんと車格が上にも関わらずウィッシュの方が安く、これではコンパクトステーションワゴンの低迷も当然である。

 現在は同じ1.5リッターガソリン同士で比較するとシャトルは180万8400円、フリード(ベーシックグレードのB)が199万7600円と、適正な価格差となっている。だが、それでもこの価格差ならシャトルより使い出のあるフリードを選ぶ人は多いのだった。

 そう考えると今もカローラフィールダーとシャトルが生き残っているのは大健闘とも言え、コンパクトステーションワゴンに大きな打撃を与えたウィッシュやストリームの方が先に絶版となったのは皮肉なことだ。

後を継ぐのは誰だ!? ヤリスベースかプロボックスの乗用モデルの復活はあるか!?

かつてプロボックスには乗用モデルもラインアップされていた。サイズもコンパクト、それでいて積載性もバツグンとあって使い勝手はピカイチだ
かつてプロボックスには乗用モデルもラインアップされていた。サイズもコンパクト、それでいて積載性もバツグンとあって使い勝手はピカイチだ

 コンパクトステーションワゴンは今後どうなるのだろうか。後継車があるとしたら、縮小しているとはいえコンパクトステーションワゴンはカローラフィールダーとシャトルを合わせて2021年に約3万台が売れた、根強いとも言える市場である。市場規模を考えるとなくすのも惜しいところがあるのに加え、直接的な後継車を出せば市場独占である。トヨタとホンダのうち直接後継車を出す可能性があるとすればトヨタだろう。

 ヤリスベースのワゴンがラインアップされる可能性も。現行カローラフィールダーと同じ成り立ちで、ヤリスベースでステーションワゴンを造り、長期間売るというのはあるかもしれない。ただ、トヨタはあれだけ売れたプリウスαを大胆に絶版にしたのを見ると、ヤリスワゴンは難しいか?

 プロボックスワゴン復活させる可能性も。現在商用バンのみだが、以前は乗用ワゴンも存在。現在のプロボックスをステーションワゴン化するのもいろいろ大変なのだろうが、この手法ならメーカーとユーザーの折り合いのバランスは取れるかもしれない。

カローラツーリングが実質的な後継者か!? 東南アジアモデルの導入の可能性はいかに

 対して後継車がなかったら場合はどうか。カローラツーリングをカローラフィールダー後継車にするという考えだ。前席の乗降性の悪さはあるが、フィールダーとの価格差は約20万円、ボディサイズもそれほど大きくないカローラツーリングをフィールダー後継車にするのは極めて順当だ。

東南アジアで超絶ヒットを飛ばしているエクスパンダー。SUVに仕立てたエクスパンダークロスなるモデルもラインアップしており、日本導入を期待したい一台だ
東南アジアで超絶ヒットを飛ばしているエクスパンダー。SUVに仕立てたエクスパンダークロスなるモデルもラインアップしており、日本導入を期待したい一台だ

 そして考えられるのは、東南アジア向けコンパクト3列マルチパーパスカーを後継車にするのもアリだ。この種のクルマはトヨタ アバンサ、ホンダBR-V、三菱 エクスパンダー、スズキ エルティガがある。BR-Vは全幅が1780mmと大きく矛盾もあるが、低価格で導入されれば、ウィッシュやストリームのようにコンパクトステーションワゴンの代わりになるかもしれない。

 ここまで書いたように、コンパクトステーションワゴンの将来は流動的だ。そのため現在のコンパクトステーションワゴンが欲しい人は情報に敏感になり、必要性が強いなら新車が買えるうちに買っておくことをオススメする。

【画像ギャラリー】三菱にホンダザクザクあるぞ! 東南アジアで大ヒットのコンパクトワゴン(8枚)画像ギャラリー

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

話題のGRヤリスMコンセプト、新型セリカと関係あり!! オートサロン特報も掲載のベストカー2/26号発売中!

話題のGRヤリスMコンセプト、新型セリカと関係あり!! オートサロン特報も掲載のベストカー2/26号発売中!

ベストカーWebをご覧の皆さま、こんにちは!愛車のブレーキがエア抜きから2週間でふかふかになった編集…