ギラギラ顔vsプレーン顔! 顔つきで選ぶボックスタイプミニバンのねらい方

■リセール価格を考えたらやっぱりアルファード!

 トヨタを中心とする「ギラギラ系超党派軍団」と、ホンダ ステップワゴンを中心とする「プレーン顔軍」のどちらが今後、勝利を収めるのか? そして我々ユーザーは、今後登場してくる新型ミニバンを買うのであれば「どちらの方向性」を選択するのが正解なのだろうか?

 まずは2番目の議案である「ギラギラ顔とプレーン顔の、どちらを選択するのが正解なのか?」という問題だが、これについては、個人レベルで考えるなら正解も不正解もない。「とにかく好きなほうを買えばいい」という話でしかないのだ。

 ギラギラ顔の、あのオラオラ感がどうしても好きになれないならば、プレーン顔のステップワゴンを買えばいい。また顔の好き嫌いはさておき、「リセール価格の高低」がどうしても気になってしかたないのであれば、おそらくは抜群のリセール相場となるだろう新型ヴォクシーや、次期型アルファードを買えばいいだけの話だ。

 それらを買った結果、基本的にはプレーンな顔つきを好み、ギラギラ顔を軽蔑する守旧派カーマニアからは、いろいろ言われることになるだろう。

 だが、そんなものは無視すればいいだけのこと。「自分が好きなモノを買う」、「好きではないが、家族を経済的に守るため、高く売れそうなモノを買う」というのは絶対的な正義。私もギラギラ顔を個人的にはまったく好まないが、それを選ぶ人の正義を邪魔するつもりはない。

■向こう5年くらいはギラギラ顔優勢?

 このように、個人レベルにおいては「どっちでもお好きなほうをお選びください」という話にしかならないわけだが、もう少しマクロに物事を見た場合には、どういうことが言えるのだろうか?

 すなわち、今後のミニバンは新型ヴォクシーに代表されるような「超獣系ギラギラ顔」がマーケットを完全に席巻するのか? それとも、新型ホンダステップワゴンに代表される「プレーン顔」も、今後はそれなりに増えていくのだろうか?

 もちろん未来のことを100%正確に予想することなどできない。特に、長期スパンでの予測は難しい。だが向こう5年間ほどの短期目線で考えるのであれば、「相変わらず超獣系ギラギラ顔が市場を席巻することになるだろう」と筆者は読んでいる。

■ギラギラ顔は、今まで売れていた

 そう考える理由のひとつは「直近の実績」である。

 昨年1年間の販売台数データから、一番わかりやすい検体である「ギラギラ顔の旧ヴォクシー」と「プレーン顔の旧ノア」の対比を抽出してみると、ギラギラの旧ヴォクシーが7万85台で、プレーン顔の旧ノアは4万4211台。要するに旧ヴォクシーのほうが1.6倍近く売れたということであり、「市場はそれ=ギラギラ顔を選んだ」ということでもある。

 個人的にいろいろ思う部分はあるが、結局のところ「いい製品」とは「売れる製品」のことなのだ。多くの人がギラギラ顔を求めるのであれば、企業としては――趣味で会社を経営しているわけではないので――いい製品=よく売れるギラギラ顔のミニバンを作るしかないのだ。

■世界情勢が不安定になると・・・?

 そして「今後5年ほどは超獣系ギラギラ顔が市場を席巻することになるだろう」と考える第2の理由は「世相」である。

 ご存じのとおり、海の向こうでは不幸にして理不尽な侵略戦争が始まっており(2022年4月6日現在)、日本国内でも、理不尽な通り魔事件などが後を絶たない。そしてちょっと前までは、これまた理不尽な「あおり運転に端を発する不幸な事件」も頻発していた。

 こういった世相のなかでは、人はどうしても「自衛」に走る。自衛力とは要するに武力であるというか、「武力に基づく抑止力」である。

 そうなると、家族の命を預かるお父さんとしては、仮にピースフルな顔つきのミニバンが本当は好きだったとしても、いかにも「抑止力」がありそうな顔つきのミニバンを選びたくなるのが人情というものだ。

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