ベビーギャングとは、「いたずらっ子」的な意味を表す和製英語だ。「ナリ」は小さくとも、速さ、楽しさはダイナマイト級のクルマたちのことをクルマ好きたちは愛着を込めてこう呼ぶ。
1970年代後半から自動車用ターボが国産市販車へ普及したことによって、各メーカーからそんな、小さいボディでもパワフルなモデル、「ギャング」と化したベイビーたちが現れた。当時は暴力的な加速に車体が負け、総合的なバランスはさほど……というモデルもあったが、なによりそんな危うさも含めて、楽しかったのだ。
ドライバーが手を焼くほどの暴れん坊。そんな暴れん坊30車を前後編にて大紹介。今回は1980年代、1990年代編の16台をお送りする。血を滾らせて、お読みください。
※本稿は2017年のものです
文・写真:ベストカー編集部
走りの楽しさ度採点:片岡英明
初出:『ベストカー』2017年10月10日号
ホンダ 初代シティターボ / 1982年
全長×全幅=3380×1570mmのボディに100ps/15.0kgmを発生する1.2Lの直4OHCターボを搭載。当時の若者に大人気だった。
走りの楽しさ度…★★★☆☆
ホンダ 初代シティターボ2 / 1983年
ブリスターフェンダーの装着で全幅は1625mmとなり、出力も110ps/16.3kgmに引き上げられた。ワンメイクレースも開催。
走りの楽しさ度…★★★★☆
ダイハツ 2代目シャレード デ・トマソターボ / 1984年
80ps/12.0kgmの出力を発生する直3の1Lターボを搭載。ホイールはカンパニョーロのマグネシウム製を装着するなどオシャレだった。
走りの楽しさ度…★★★★☆
日産 初代マーチターボ / 1985年
1Lの直4ターボを搭載し、初期モデルは76psを発生。1988年のマイチェンで出力が向上。内装も洗練された。
走りの楽しさ度…★★★☆☆
トヨタ 3代目EP71スターレット ターボ / 1986年
搭載する1.3Lターボエンジンは過給圧の切り替えが可能で、最大105psを発生。「韋駄天」のフレーズがCMに使われた。
走りの楽しさ度…★★★★☆
スズキ 初代カルタス1300GT-i / 1986年
直4の1.3Lエンジンは97ps(後に110psに向上)を発生。モータースポーツの分野で活躍した。
走りの楽しさ度…★★★★☆
ダイハツ 3代目シャレードGT-ti / 1987年
105ps/13.3kgmを発生する1.0Lの直3ターボを搭載。1993年のサファリラリーにも出場し、クラス優勝をはたしている
。
走りの楽しさ度…★★★★★
スズキ 2代目カルタス 1300GT-i / 1988年
1.3Lの直4エンジンは115psを発生するピーキーな性格で、マニアから高く評価された。中古車市場の相場も高め。
走りの楽しさ度…★★★★☆
トヨタ 4代目EP82スターレットGT / 1989年
搭載する1.3L、直4ターボは135ps/16.0kgmの出力を発生。初期型はやや過激なハンドリングだったが、後期ではややマイルドに。
走りの楽しさ度…★★★★★
日産 初代マーチ スーパーターボ / 1989年
930㏄エンジンはターボとスーパーチャージャーによる"ダブルチャージ"が行われ、110ps/13.3㎏mを発生。
走りの楽しさ度…★★★★☆
トヨタ 5代目スターレット グランツァV / 1996年
135ps/16.0㎏mの出力は4代目から不変。発進時(1速)には出力を抑える制御が行われていた。高い安全性も自慢のモデル。
走りの楽しさ度…★★★★☆
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