なぜフリードに勝てない? 「便利屋」シエンタへ元営業マンの注文と新型の期待

フリードまであと少し! 新型はココを攻めろ!

シエンタを上回る販売台数を記録するホンダフリード。シエンタ同様、7年目となる来年夏にモデルチェンジが計画されている
シエンタを上回る販売台数を記録するホンダフリード。シエンタ同様、7年目となる来年夏にモデルチェンジが計画されている

 それでもライバルと目されるフリードに、販売台数でも勝ち、圧倒的な勝利をつかみ取りたいところだ。そのためには、そろそろとうわさが立つ新型で、修正したい部分が2つある。

 まずは、ガソリンエンジンモデルのパワーアップだ。1.5Lエンジンを積み込むのはシエンタもフリードも同じだが、動力性能で余裕があるのはフリードとなる。シエンタの1NZエンジンは最高出力54kW(74ps)で最大トルク111Nm、対するフリードは1.5Lのi-VTECを搭載し最高出力95kW(129ps)で最大トルク153Nmを誇るのだ。

 数値の差以上に、実際にドライビングすると、出足の鈍さ、巡行からの再加速などでパワー不足を感じるシエンタ。お世辞にもアクセルペダルを踏み込んで「気持ちいい」とはならないのである。多人数乗車をするうえでも、エンジンパワーは必要な要素だ。オーバースペックのエンジンは必要ないが、必要充分だと感じるレベルまでは引き上げたいところである。

 新型では、多少燃費を犠牲にしても、しっかり走れるクルマに仕上げて欲しい。FAN BASEのようなアウトドアユースを足掛かりにするクルマがあるなら、なおのこと、動力性能に対する目は厳しくなるはずだ。

 もう1点は、シートバリエーションを挙げたい。7にこだわりたいと前述したものの、2列目のキャプテンシートに対するユーザーニーズが高いことも事実。フリードの販売が6人乗り中心で進んでいることでも明らかなように、前席から3列目までウォークスルー出来る、2列目キャプテンシートは、このサイズのミニバンとして必須の装備になりつつある。

 しかし、ベンチシートの方が面積を広く使えて、便利な点も多い。7人乗りにこだわり、ベンチシートを残すというのなら、座った際の体の収まりだけでも改善したい。アームレストや座面の長さを調整すれば、独立シートに近いホールド感を、ベンチシートでも作り込めるだろう。

 シエンタは、座りやすく立ちやすい座面の高さや、誰でも乗りやすいステップ高を実現する。乗降性だけを比べれば、シエンタはフリードよりもレベルが高い。2列目の居住性が高まれば、フリードが突いてくる隙は、ほとんどなくなると思う。

 2021年登場したアクアや、SUVで爆発的に売れたヤリスクロスなど、最近のトヨタコンパクトラインナップは調子が良い。特に、現行シエンタが守り続けた2015年からの7年間で、バイポーラニッケル電池を使ったハイブリッドシステムや、ダイナミックフォースエンジンなど、シエンタの弱点を補って余りある技術が、大きく育っている。

 これらの新技術を搭載し、こだわりにこだわり抜いたシエンタが、新型モデルとしてそろそろ登場するのではないだろうか。期待を大きく膨らませながら、その登場を待っていたい。

【画像ギャラリー】新型モデルそろそろ登場!! シエンタとライバルのフリードをギャラリーでチェック(20枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…